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逆流性食道炎を長きにわたって患っている方なら、「呑酸」という言葉に聞きおぼえはあるでしょうか。

胃液が食道に上がってきて、酸っぱい感じが広がる、あのなんとも言えない嫌な感じですね。特に、呑酸という症状の場合は、あの独特の酸っぱさが特徴となり、キーポイントとなります。

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呑酸を止めるポイントは「美唾液」です。

他の症状と違って、あるいは合わせて、呑酸が辛いのは「口臭も気になる」こと。何も食べていないときですら苦かったり、酸っぱい味がするあの不快感には、辟易してしまう方も多いかと思います。

今回は、そんな逆流性食道炎時の不快症状の代表とも言える「呑酸」について、できるかぎりすぐに止める対処方法をまとめてみました。

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私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。

すぐに試せる!緊急時にも効果的な呑酸防止方法

美唾液を心がける

弱アルカリ性である人間本来の自然分泌の液・唾液をたくさん飲み込むことは、「酸っぱい」と感じるくらいですから酸性要素の強い呑酸時の症状に効果的です。

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美唾液って知っていますか?

以下にご紹介する方法は、唾液をたくさん出すという呑酸を止める方法として非常に有効であると同時に、加えてより良い良質な唾液を出すコツでもあります。

まず、美唾液とは、サラサラとして洗浄能力の高い質の良い唾液のことです。

口元の運動を心がけることで、たくさん分泌されます。

普段のネバネバとした唾液は、殺菌能力が弱く、水分量の少ない唾液です。これでは、逆流性食道炎の炎症や症状、もとい呑酸を抑えるのにも、あまり効果が得られず、症状の改善の実感を得にくいものとなってしまいます。

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唾液の質によって呑酸感をおぼえるか、おぼえないかが変わるんです。私も逆流性食道炎に悩まされているときは全然ダメな唾液でした。。

それでは以下に、唾液を大量に、特に美唾液をたくさん出す有効な方法をご紹介しましょう。

ガムを噛む
手っ取り早くオススメの方法としては、「ガムを噛む」ことです。

実際に科学的な実験をしてみても、ガムを噛む前はネバネバとした悪い唾液だったのに比べて、ガムを噛んだあとは明らかに良性の、サラサラとした質の良い唾液が出るように変化しています。

これは、ガムを噛んで味のあるものを摂取したことによる脳への刺激で唾液量が増えたということだけではなく、「ガムを噛んだ」という運動そのものを行ったことによる口元の動きが大きな影響を及ぼしています。

おまけに、スーッとしたタイプのガムを噛むことで、口臭の防止対策にもなりますね!

(※ただし、あまりにも刺激の強いタイプのものは逆流性食道炎時に胃に衝撃や負荷を与えてしまうので、マイルドなタイプをオススメします。)

マッサージを行う
「美唾液」を出すには、マッサージなどの方法もあります。

)顎の下の、骨が凹んでいる部分と出っ張っている部分の中間あたりに親指を差し入れ、そのまま顎の稜線に沿って親指をググッと力を入れて伸ばすようにしてすべらせていきます。

)最後に、耳たぶの横のくぼみをプッシュします。
耳たぶの横のくぼみを押すことで、マッサージ効果でサラサラの唾液が出るのです。

ピヨピヨブー運動
口輪筋を動かすことでも、美唾液が出やすくなります。「ピヨピヨブー運動」と呼びます。

唇を突き出しながら、両頬を吸うようにするのがポイントです。この「ピヨピヨ」の動きを5回くらいしたら、「プー」と口を膨らますようにしましょう。収縮運動を繰り返すことで、美唾液が出やすい口元になりますよ!

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こうして小まめにガムを噛む・口元のエクササイズを日常のふとした瞬間に取り入れることで、美唾液を出やすくしましょう。

飲み物をひたすら飲む

中でもオススメなのは、ミネラルウォーターやホットミルクです。

これらの飲み物を、唾液を飲み込むことと同様に、少量をこまめに、何度も飲むことが有効な手段です。

薬を飲む

あまり薬で抑えることはおすすめしませんが、いざという時の辛い症状には、ある程度、市販薬や病院で処方してもらった薬を飲むことも有効となるでしょう。

ただし、これらは本当に一時しのぎ、緊急対策です。

きちんと長い目で落ちついてご自身の症状を振り返り、正してちゃんとした治療方法を実践していくことが大事ですね。

呑酸に効果がある薬

  • 製薬製剤イツラック
  • 太田胃散
  • 第一三共胃腸薬プラス
  • パンシロン01プラス
  • 大正漢方胃腸薬

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上記がすぐに試せる!緊急時にも効果的な呑酸防止方法です。


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長い目で実践!呑酸を根本的に止めるのに効果のある方法

腹圧がかかる行動を止める

胃部に過剰な圧力のかかる「腹圧」は、逆流性食道炎の症状を頻出化させたり呑酸の症状を出現させるのに多大な促進的影響力を及ぼしてしまいます。

姿勢的な面での腹圧対策

  • 猫背、巻き肩(肩が内側にすぼまって、背中が横方向に丸まってしまう姿勢)を直す
  • 座るときはクッションを使い、姿勢の安定を試みる
  • 食後はすぐに横にならない。できたら食後1時間は立っていることを心がける
  • 寝る時には頭の位置を高くすることを心がける
  • 睡眠時は、胃の膨らみ側がある身体の左側を下にして寝るようにする

などといった方法が有効になります。

整体で姿勢を正してもらう
あとは、これも一時しのぎ的な対処法にはなりますが、時にはたまに整体などに通って、姿勢を正してもらうのも良いでしょう。

ただその場で治療してもらうだけではなく、日頃気をつけるべき姿勢の取り方や、ご自身の知らないうちに取ってしまっている無自覚な悪い姿勢のクセなども指摘してもらって、正しい姿勢を教えてもらったりアドバイスをもらうと良いですね。

胃酸が大量分泌される食べ物の摂取を止める
そもそも、呑酸の元となっている根本原因は「胃酸の過剰分泌」です。
今日からすぐにでもできる“食生活改善”で、まずは呑酸の元となる多量過ぎる胃酸の分泌を止めることが先決です。非常に有効な逆流性食道炎の治療手段でもあります。

以下に、すぐに摂取をやめた方がいい食品群を羅列します。

●飲み物
アルコール
カフェイン
炭酸飲料
柑橘系のジュース類
●食べ物
脂っこいもの(お肉など)
甘いもの(ケーキ、和菓子など菓子類)

以上に関しては、できる限り早く摂取をやめましょう。

さらにできる対策としては、常に食事の時には腹八分目を意識し、以前の食事の量よりご自身の拳一つ分くらいの分量は減らすことを目安に食生活改善を行っていくと良いですね。

また、咀嚼量を増やすことで満腹中枢を刺激し、少ない食事量で満足感や満腹感を得ることができます。よく噛んで食べましょう。

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緩んでいる下部食道括約筋を鍛えると逆流しにくくなる

下部食道括約筋を鍛える具体的な方法の数々については他ページでも紹介していますが、食道と胃をつなぐ「噴門」部で胃内の物体や胃液の逆流をふせぐ巾着袋の口の役割をしている、下部食道括約筋や周辺の筋肉を鍛えることで、

逆流性食道炎の諸症状の出現や頻度・胃内の物たちの逆流・もちろん呑酸も抑えることができます。

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いかがでしたでしょうか?すぐに実践できる緊急対処的な有効な方法・すぐに実行できる、なおかつ長い目で見て逆流性食道炎の治療法としても有効な方法、双方を紹介してまいりましたが、試せそうな方法は見つかりましたでしょうか。

少しでもご自身にあった方法をあれこれと試してみて、どうか快方に向かう治療ライフを過ごしてくださいね。まずは、実践あるのみです!

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