こんにちは。逆流性食道炎を患って3年、最近ようやく完治に近づいてきた50歳の主婦です。
今回は、「逆流性食道炎の時に横隔膜を鍛えるメリットとその実践法」について簡単にまとめています。
私が逆流性食道炎だった時に、非常に効果を実感できたものなので、今病気で苦しんでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ試してみてください。
逆流性食道炎と横隔膜の関係って?
逆流性食道炎は、簡単に言うと
「食道と胃をつなぐ部分にある下部食道括約筋という筋肉が何らかの要因によって弱ってしまい、弁の役割を果たさなくなることで、胃の中に入った食物や胃酸が食道方面に逆流してしまい、結果として強い酸で食道を焼いて炎症を起こしたり、胸焼けなどを起こさせたりしてしまう病気」です。
つまるところ、逆流性食道炎に一番直結している筋肉は「下部食道括約筋」なわけですが、
このすぐそばにあるのが「横隔膜」。つまり、横隔膜と下部食道括約筋は非常に連動関係にあるわけです。
「横隔膜」という単語はあなたも一度は聞いたことがあると思います
そこで、今回は、逆流性食道炎の時(あるいは、その時のみならず)に横隔膜を鍛えるメリットと、その方法について簡単にまとめてみています。
あなたもぜひ、メリットを理解し、実践してみてくださいね。
■横隔膜を鍛えるメリット
上の項目で「逆流性食道炎と横隔膜には関係がある」と言いましたが、では、具体的にどのような関係性があるのでしょうか。
まず簡単に横隔膜について説明します。
横隔膜は、いわゆるインナーマッスルの一つです(他には、腹横筋、多裂筋という背筋に伸びる筋肉、骨盤底筋群という骨盤に伸びる筋肉群があります)。
つまり、体幹部の筋肉ということですね。牛肉で言えばハラミの部分にあたります。
このインナーマッスルである横隔膜は、下部食道括約筋のすぐそばにあることから下部食道括約筋を助ける役割を持っています。
上にも書いた通り、とても密接な連動関係にあるわけです。
下部食道括約筋が動いて胃酸や食べ物の食道への逆流を防ぐ「噴門」という部分がありますが、この少し上辺りに位置する横隔膜も、噴門付近を締め、同じく胃液の逆流を防いでくれる役割を担ってくれていると考えられます。
つまり、横隔膜を鍛えることのイメージとメリットとしては、胃の上部付近を鍛え、下部食道括約筋とともに噴門を締め、逆流性食道炎の症状を予防するような感じです。
横隔膜を鍛えることには、なんと、それ以外にも多彩なメリットが用意されています。
- 代謝のアップ
- 内臓や周囲の血管の刺激による(なんといってもインナーマッスルですから)、血流の促進、ゆえの代謝機能の向上の効果があります。
- 自律神経のバランスが整う
- 血圧が下がる
- 横隔膜の強化によって呼吸が整い、自律神経のバランスが整ったり、血圧が下がったりする効果があります。
- 姿勢が良くなる
- インナーマッスルが鍛え上げられ、体の体幹部がしっかりと出来上がることによって、姿勢も良くなります。
このような感じで、横隔膜を鍛えることは、健康全体にとってものすごくプラスの要素なのです
横隔膜を鍛えるには?
ではここで、簡単な横隔膜の鍛え方について説明しましょう。
詳しくは別のページにまとめてあるので、そちらを参照してください。
もしくは、「下部食道括約筋を鍛える方法!!これだけでも胃酸の逆流を防ぐ効果があります」でももっと専門的な知識やノウハウを知ることができます。
さて、横隔膜の鍛え方です。いくつか説明していきたいと思います。
●ウォーキング
ウォーキングはあまり体に負担をかけずに体幹や体全体を動かし、ゆったりとしたペースで鍛えていくのに最適な運動です。具体的には、下記に示す「腹式呼吸」によって横隔膜を意識的に動かしながらウォーキングします。
横隔膜を動かすことに注力してのウォーキングには、一つ前の項目で示したメリット意外にも、
- 便秘の解消
- 免疫力の増加
- 脂肪燃焼効果
- 冷え性の改善
- 心肺機能が鍛えられる
などの嬉しいサブメリットもあります。横隔膜を鍛えながらウォーキングによる運動効果も得られるなんて、一石二鳥ですね。
ただし、食後すぐのウォーキングはやめましょう。
消化に集中している、胃に集まった血液を分散させる働きにつながってしまい、結果として胃や消化器官にかかる負担を大幅に増やしてしまったり、それによって消化不良を起こしてしまったりします。これでは、本末転倒です。
- ドギーブレス法
- 腹式呼吸法
- 丹田呼吸法
- ヨガ呼吸法
- 鼻呼吸法
- システマ呼吸法
などといったものがあります。
今回はこのうち、上記のウォーキングでも使え、効果の高い腹式呼吸についてお話しします。
(他の呼吸法については「逆流性食道炎と下部食道括約筋の深すぎる関係!効果絶大な鍛え方を一挙紹介」ご参照ください)
効率的な腹式呼吸法をマスターしよう!
●立ったままやる場合
- 背筋を伸ばして、鼻からゆっくりたっぷりと息を吸い込むようにし、お腹に空気を入れるイメージで吸いきります。
- 今度はお腹を徐々にへこませていくようなイメージで、口からゆっくりと息を吐き出します。時間は、息を吸い込んだ時と同じかそれ以上かけるようにしましょう。
可能なら腰に手を当てて、思いっきり息を吸った時と吐き出す時、それぞれの動作時にお腹の筋肉に注意を向けて、そこを動かすことを意識してみてください。
腹式呼吸法は、前の項のメリットにも挙げたように、自律神経を整える効果があり、ストレスを緩和する効果もあります
●寝そべった体勢
少し負荷をかけて行う腹式呼吸のトレーニングをするなら「寝そべった体勢」でやってくださいね
- 500g〜1kg程度の重りを用意します
- 仰向けに寝そべり、両膝を立てて両腕を軽く開きます
- お腹の重りを持ち上げるようなイメージで、ゆっくりと鼻から息を吸い込みます
- お腹で重りの重さを受け止め、感じるようにしながら、ゆっくりと脱力して鼻から息を吐きます
(※凍らせていない状態の、アイス枕などがあると安定的にもベストです。固くなく、お腹に馴染む柔らかい素材のものが良いでしょう)
この際、手のひらは上に向けるようにしましょう。肩や胸を開くことができ、よりリラックス効果の高まった姿勢になります。
しかし、トレーニングを始めたての際は、却って手による体重の支えが必要となることがあります。そういった時は手のひらを床に当て、体重を支えられる体勢を取りましょう。
同様に、両膝を立てることにも腹部周りの余計な緊張をほぐし、リラックスさせる効果がありますが、やはりトレーニング開始初期に緊張がなさすぎてやりづらい場合は、両膝を伸ばした状態で行ってもOKです。
吸いきって、自分の中で重りが持ち上がりきったと思ったら、そのまま10秒間キープしましょう。この時、力みすぎて体の他の部分に力が入らないように気をつける必要があります。
ここで違うのは、腹式呼吸と異なり「鼻から吸って鼻から吐き出す」、という点です。ただし、吐く時に苦しさを感じる時は、口と鼻の双方を使っても構いません。
以上の1〜4の動作を、一回5〜10回分の呼吸数行い、それを週に3〜4回行います。
一度に長時間行うことは、体にとって過酸素摂取のような状態になってしまい、却って体調が悪くなることがあります。注意して行ってください。
このトレーニングの重りを使わないバージョンを、「ドローイン」と言います。
これは、
- 床の上に横になる
- 仰向けになった状態で、両膝を立て、膝の力を抜いてリラックス。楽な体勢を取る
- 鼻から息を吸ってお腹をできるだけ膨らませる
- 口から大きく息を吐く。その際にお腹をできるだけ大きくへこませるように心がける
4つの順で行います。
[腹式呼吸トレーニング]、[ドローイントレーニング]は大分効果的ですが、腹部に結構な負担をかけることになるので、食後すぐなどのタイミングは、ウォーキングと同じく避けるようにしましょう。
腹式呼吸にはそもそもリラックス効果があるので、寝る前に行うのも効果的でしょう。
無理なき範囲で、いつもより少しだけ腹部に負担をかけるようにして、呼吸による横隔膜トレーニングを実践してみてください。
●他の横隔膜付近の筋肉を鍛える
ここでは、メジャーどころでいくと腹筋と背筋が一番横隔膜に近いところにある筋肉なので、それらを鍛えるのが一番手っ取り早いということで紹介します。
これにはサーキットトレーニングという複数の筋トレを順番に行なう方法がう有効なのですが、こちらについては別の機会にご紹介させていただきます。(別でより詳しく紹介されているサイトさんもあるので、そちらでご参照いただくのも良いかもしれません。)
最後に・・・
いかがでしたか? 逆流性食道炎の時に横隔膜を鍛えるメリットと、その実践の一例について、ご理解いただけましたでしょうか。他にも多様な方法があり、他のページでもご紹介させていただきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
逆流性食道炎を克服させるためには日々の鍛錬が必要です。薬物に頼るだけではなく、できる限りのことを日常生活から取り入れてやって見てくださいね!
「当サイト管理者(50歳女)が逆流性食道炎を発症させたきっかけと苦しいまでの症例」私の体験談をご覧ください