20.18.38
私は今年50歳になる主婦で、3年前、47歳の時から逆流性食道炎を患っています。

今回は、闘病記録・備忘録も兼ねて、これまでに試した、あるいは周囲の同病の友人たちから聞いた、「逆流性食道炎で使う薬の種類とその効果」についてまとめてみました。

後学のために、そしてこれから治療に臨む、この記事を読んでくださるみなさんのために、少しでも参考になりますように。

■逆流性食道炎の症状

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 胃の中のものが逆流してくる感覚、身に覚えのない嘔吐感、口の中に喉元から酸っぱい液体が流れ込んでくる感覚。

逆流性食道炎の諸症状の、不快感といったらないですね。

 私も最初の頃は、身に覚えのない気持ち悪さや何よりお腹のあたり〜胸元〜喉元、という経由での食べ物と酸っぱい胃液の逆流感にとても悩まされ、やれ歳のせいか、最近飲み過ぎたせいかしら、とやきもきあれこれ考えながら、消化器内科の門を叩いたものです。

 結果、「逆流性食道炎」と診断され薬の処方を受けたわけですが、では、処方された薬がどのように効いてくるのか? まずは逆流性食道炎の起こるメカニズムについて、少しまとめてみたいと思います。

逆流性食道炎の原因・メカニズム

 逆流性食道炎とは、ずばり、「胃の中の胃酸が食道まで逆流して、胃酸による強い酸によって食道が焼かれるような状態になってしまい、炎症が引き起こされる病気」です。

 胃の中は、あらゆる食べ物を溶かすほど強力な酸性を持つ胃酸が分泌されることが前提なので、強い粘膜によって覆われていますが、胃に至る食道には、そのような粘膜がありません。

それで、胃酸が食道へと逆流してきた時にはその酸の強さに耐えきれず、ただれたようになってしまうわけです。

 体の仕組みとして、口から入った食べ物が食道を降りていって胃へと入っていく際に、食道と胃をつなぐつなぎ目の部分=噴門部、と呼ばれる部分を通ります。

その噴門部にある「下部食道括約筋」という筋肉が、食物が上から下部の胃に入るときだけ開き、それ以外の時や消化中は閉じている、という弁の役割をしています。

この働きが弱まってしまったり、あるいは胃の中で胃酸が増えすぎてしまって下部食道括約筋の手に負えないぐらいになってしまったりすると、胃酸が食道方向に逆流し、逆流性食道炎の症状に繋がってしまうのです。

対処のための薬と、その種類、効果

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 では、これらの原因によって起こる辛い症状を鎮め、和らげ、治癒に向かわせてくれるお薬には、一体どのような種類があり、それぞれどんな効果があるのでしょう。
  
 まず、私がこれまでに処方されたお薬は4種類です。

  • パリエット
  • タケプロン
  • アシノン
  • イノセアワンブロック

 このうち、パリエットとタケプロンは、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる薬です。

人の体の中で胃酸を分泌しているのが「プロトンポンプ」という器官で、これらの薬はその働きを抑えることで、胃酸の分泌を強く抑制してくれる効果があります。

 これによって、そもそも胸が焼けるような感覚を起こしながら食道を逆流してきたり、酸っぱいような味で口内や喉をイガイガさせるそもそもの原因である胃酸を減らしたりすることができ、胸元や口内の酸独特の味覚の面がだいぶ楽になります。

プロトンポンプ阻害薬(PPI)には、他にも

  • オメプラゾール、オメプラゾン
  • タケキャブ
  • ネキシウム

これらの薬があります。

 また、アノシンとイノセアワンブロックは、h2ブロッカー(H2受容体拮抗薬、H2RA)と呼ばれる薬です。これもPPIと同じく、胃酸の分泌を抑える薬です。

人の体内には「ヒスタミン」という物質が多く存在していて、これが胃の中にある「h2受容体」という組織と結びつくと胃酸や胃液が分泌されるのですが、その結合を抑えることで胃酸や胃液の分泌を防ぎます。

このh2ブロッカーには、
・ガスター
といった薬があります。
 
他にも、
・中和剤マグテクト内服液
という、

胃酸を中和させたり胃の粘膜を保護してくれることで、胃酸の刺激や胃潰瘍のリスクから胃を守ってくれる薬もあります。胃の粘膜保護薬だけでなく、食道粘膜保護薬もあります。
 あとは、漢方系のお薬で
・イツラック
といったものもあります。これはどちらかというと東洋医学的なアプローチの印象で、自然由来の生薬を使って、胃の機能を整えたり、血の巡りをよくして胃を温めたり、胃の運動を促進させたり鎮静させたり、といった効果を持つものです。

薬物治療の効果は?

 しかし、上に挙げたように多くの薬を飲んで、情報を集めて知っている、ということは、そのどれもが完治には至らせてくれなかった、ということです。

もし、途中で合うものに出会っていれば、もしくは私にとって完全なる効果を持つものに巡り合えていれば、私の情報収集はそこでストップして、そのお薬のことについてだけ知っていればよかったはずだったからです。

 でも、結果はどれも同じで、一時凌ぎに過ぎませんでした。

確かに、それぞれの薬を飲んだ時は、それぞれの効能を感じて、効いている間は心も体も楽になり、「治った!」と思って、日常生活を楽しんだものです。何か食べることに対して気落ちすることもないし、美味しく味わって食べることができる。幸せでした。

特に、病気に悩んだ最初の頃、初めに処方された「タケプロン」を飲んだ後の、症状からの体の開放感ときたら、なかったです。

 それでも、薬を飲んでいる間だけ。効き目が切れると、すぐに以前と同じ症状が出始め、一度薬で楽になった分、むしろキツく感じられてしまうのです。

薬の副作用一覧

  • 吐き気
  • 胸が苦しい
  • 喉がイガイガする
  • 胃と食道に潰瘍ができる
  • 耳鳴り
  • 体重減
  • めまい
  • 発作のような咳
  • げっぷ
  • みぞおちの痛み
  • 背中の痛み
  • 肩のだるさ
  • 右・左鎖骨リンパの腫れ
  • 運動能力の低下
  • 肌荒れ
  • くすみ
  • 肌の乾燥
  • 抜け毛

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もっと良い治療法はないの?

 では、薬物治療にばかり頼っていて治らないのであれば、どうしたら根本的にこの病を根絶できるだろう…?再発させずに済むだろう?
 そう考えて、あれやこれやと調べました。

 薬は、上でまとめた通り大体が、その場の胃酸の分泌を防ぐ・一時的に粘膜を張って保護する・飲んでいる間だけ効果が続く、といったようなものたちです。

ですが、長期で投薬治療を続ける、ということに対して、私はすでに疲れ果ててしまっていました。

 そこで、薬物治療によって「胃酸を抑えてもらう」とか「一時的に粘膜を保護してもらう」とか、そういう一時的な効果ではなく、根本的に、しかも薬を使わなくても効果が続く治療方法はないか? と模索し始めました。

 すると、あったんですね。しかも、これはものすごく基本的なこと。

私

そう、体の持つ本来の自然治癒力を使って、自分の体を本来あるべき状態に戻してあげる、というそれだけのことだったのです。

例えば、弱ってしまった下部食道括約筋を鍛えたり、脂っこい食事を控えたり。詳しい実践例や効果については、他のページでもご紹介していますので、そちらを読んでください。

 たしかに時間は少しかかりますし、効果の現れ方も、即効性のある薬物治療に比べ、ぼちぼちで少しずつかもしれません。

ですが、何よりもお金がかからず、確かで、永久的に完治する、しかも体の他の部分についても健康になる、という素晴らしい効果があります。

急がば回れ、とは言いますが、間違いなく長い目で見たら一番効果が高くしかも長続きする、治療の方法ですね。

 今あるあまりに酷い症状を抑えるために、薬物治療に頼ってお薬を飲むのは、辛い経験上、私にもその気持ちはわかります。

ありだと思います。
 けれど、長い目でみたら、そういった体由来の本来の「治す力」にももう少し目を向けて、あらゆる実践をできる限りで日常生活に組み込みながら試してみるのも良いと思います。

私もそういった方法を試し始めてから、薬の効き目も良くなり、症状の辛さや頻度も、俄然減ってきたように感じています。

 ぜひあなたも、多様な種類のお薬をあれこれと試してみようとする前に、あるいはその傍らで、本来の自己治癒力を引き出す生活習慣改善の方法にもトライしてみてください。みなさんにとっても、良い効果が出ますように! 応援しています。