20.30.53

逆流性食道炎を患って3年になる主婦です。

今でこそ「完治」と呼べる状況になりましたが、病中はありとあらゆる治療を試し、少しでも早く完治させたくて試行錯誤していました。

その中でも当時特に気になり、恐怖心を持っていたのが、長く続く投薬治療による薬の副作用についてです。

 そんなわけで今回は、闘病記と備忘録も兼ねつつ、

私が飲んでいたもの・闘病中に知り合った同病の友人たちが飲んでいたものも含め、「逆流性食道炎で使われる治療薬とその副作用」について、まとめたいと思います。

私

私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。

逆流性食道炎の治療ではどのような薬が使われるのか?

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 まず、逆流性食道炎で使われる薬の種類について、簡単にお話したいと思います。
逆流性食道炎では、主に2種類の薬が使われます。PPI(プロトンポンプ阻害薬)という種類の治療薬とh2ブロッカー(H2受容体拮抗薬、H2RA)という種類の治療薬です。
 どちらも胃酸の分泌を抑制してくれるお薬ですが、抑制へのアプローチが違うため、微妙に効果と強さが異なります。

 前者のPPIは、「プロトンポンプ」という、体内で胃酸の分泌を担当している器官に直接作用して、その働きを抑制します。

 後者のh2ブロッカーは、体内で胃酸や胃液が分泌されるための化学的な物質同士の結合を阻害し、工程を邪魔するものです。具体的には、体内に多く存在する「ヒスタミン」という物質が、胃の中にある「h2受容体」という組織と結合するのを防ぎます。

 直接的なアプローチで言えばPPIの方が強いので、薬の効果としてもPPI>h2ブロッカー、となります。
 
 他にも、胃酸の中和や胃の粘膜保護を念頭においた保護薬系の薬や、効き目が早い制酸剤、また漢方系の薬もあります。

それぞれの薬による副作用

 しかし、本来人間の体の中には存在しない成分を取り込む、もしくは元来の体の働きを阻害するような「薬物」を使って治療をすることには、副作用がつきものです。

 そこで、次にそれぞれの薬のデメリット、副作用について詳しく見ていきたいと思います。

 まず、PPIについて。胃酸抑制剤に見られる代表的な副作用として、
・軟便や下痢が挙げられます。

そもそも胃酸を抑えることによって、消化不良に陥ったり、大前提となる消化機能がうまく働くなってしまうので、結果的にこうなってしまうのも無理はありません。しかもこれは、薬を飲み続ける限り継続します。

症状の深刻さと副作用の軟便・下痢、どちらの方が自分にとって深刻かを見極めて選び取る必要がありそうです。
 また、逆に
・便秘の症状
がでる人もいます。

これも、消化の不良が原因として関わっているものと考えられますが、逆に便が「詰まる」という感覚になるので、ただでさえ逆流性食道炎でつらい腹部への違和感・圧迫感・膨満感などが助長される可能性があります。

また、便秘時にお腹にガスが溜まるということは、ガスの特性上、空間的に上へとのぼろうとする作用があるので、結果的に逆流を助長してしまうことになります。

 他にも、胃のあたりの不快感が出ることもあります。これは薬を中止すればおさまりますが、すると今度は逆流性食道炎の症状が出てしまうので、辛いところです。

 胃酸を分泌を抑制する、ということは、結果的に体内で食べ物の消化が出来づらくなってしまうので、他にも下記のようなデメリット、副作用が見られることがあります。

  • 発疹、口の渇き
  • 消化不良由来の吐き気・嘔吐・食欲不振・体重減少
  • 栄養不足、貧血(※鉄分の吸収率が下がると)

これらの他に
・ビタミンB12の欠乏症
(※特に胃酸で活性化され、吸収されるビタミンであることによります)

・肝機能障害、低下
(※薬は体にとって「異物」なので、ただちに肝臓での分解が始まりますが、この機能が弱い場合に肝障害が起きやすかったり、肝臓への負担が大きかった場合、機能の低下が起こります)

・発疹
 ・その他、病気への感染率の高まるリスクおよび骨粗鬆症への恐れ
(胃酸分泌抑制によって食べ物に付随する菌の殺菌作用が弱まったり、カルシウムの分解が抑制されることで吸収率が悪くなり、骨を丈夫にする機能が停滞したりします)

 次に、h2ブロッカーについて。これも胃酸抑制剤なので、一般的には上記のPPIと似たような副作用が見られます。
 PPIとh2ブロッカーで、多少違う副作用の症状があるとしたら、

  1. PPIの方が薬として強いので、肝機能障害が起こりやすい
  2. PPIの方が血液系の障害疾患を起こしやすい
  3. h2ブロッカーの方が、ホルモン系の副作用が起きやすい(特に女性ホルモン系。月経不順、乳房の女性化、乳汁分泌など)

また、どちらも稀に意識障害や錯乱などが見られる場合もあるので、ご注意ください。

 胃の粘膜保護薬に関しては、効果が短いため大半の場合胃酸抑制剤との同時併用になるのと、大体乳性の成分で保護膜を張るような仕組みになっているので、

それらの2つの条件により「乳性の成分によりお腹がゆるくなる、もしくは消化不良が起きる」といったことから、軟便・下痢や便秘などの副作用を催すことがあります。

 制酸剤についても、上記の薬たちと似たような症状(中でも特に胃部の不快感や食欲不振)が出ます。それに加え、血症系の副作用の報告もあります。

 また、他の薬との併用時に、併用している薬の吸収を妨げてしまう作用もあるので、注意しましょう。

 漢方系については、これまでに見てきた西洋の化学系治療薬とは少し一線を画しているように思われますが、いかがでしょうか。

 たしかに、全般的に漢方薬については副作用が少なく、効果が現れづらく長期的な服用をしなければならないといったことはありますが、上記で見てきたほどの激しい副作用に関してはあまり見られないようです。

 しかし、漢方薬と言えど薬は薬ですから、まったく副作用がないというわけではありません。

まず、体質に合う合わないが顕著に出やすく、飲み合わせのルールも多いものです。相性が悪いものを間違って飲んでしまうと、重篤な副作用が出るケースもあります。

 また、漢方薬には他の西洋的薬物治療では聞きなれない、「瞑眩反応」という特殊な症状が出ることがあります。これは、例え体質に合ったものを飲んでいたとしても、治療の最中に一時的に症状が悪化して現れるものです。

私

素人判断ではこれが瞑眩反応なのか副作用によるものなのか、判断がしづらいので難しいところです。不安な要素が見られたら、服用を中止して病院で相談することをおすすめします。

 体内の機能が弱っているところに強い力を持つ漢方薬を飲んでしまうと、却って胃腸に負担がかかり、胸焼けやゲップなどの症状が悪化してしまう場合もあります。

 そして、漢方は非常に繊細で個人個人の症状にマッチしたものを飲んで効き目が現れることが多いので、病気の原因と使用する漢方が不一致だった場合には、飲むことが全く無意味になってしまいます。

 いずれにせよ、漢方薬での治療は、効果としても「副作用が少ない分、緩やかで穏やか」といった形で、即効性の点で弱かったり、直接の症状緩和には結びつかないケースが多いので、効果面でも、副作用的観点でも、まずまずといったところです。

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薬を使わない逆流性食道炎治療

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 では、これまでに多くの逆流性食道炎に用いる薬とその副作用について見てきましたが、これらの危険因子をすべて避ける方法はないものでしょうか…? つまり、薬を使わないで済む治療方法があれば、こういった様々な薬の使用も、その副作用についても、避けられるわけですね。

 結論から言いますと、それは可能です。というのも、私が快方に向かえて結果いま病状が完治に至っているのは、薬のおかげではなく、自身の生活を見直すという身近なところにその秘訣があったからです。

 大体、逆流性食道炎になる方は、多くのストレスを抱えていたり、コーヒーやお酒など、カフェイン・アルコールの摂取が習慣になっていたり、あるいはお腹周りが太ってしまっていたり…。などといった「原因」を、日常生活の中に持っています。

 私も、40代後半から50代に差し掛かろうという主婦業の中で、ホルモンバランスの変化もあってかお腹周りに余計なお肉がついてしまったり、主人との晩酌の習慣があったり、この歳でも励んでいるデスクワークの前後合間にはコーヒーをよく飲んでいたり…といった習慣がありました。

また、姿勢も猫背になりがち、寝るときの姿勢にも気を遣うことはなく、なんとなく毎日体がだるくて、最近では家事もおっくう、といった要素がありました。

 けれど、あまりにも辛い症状を、しかもできるだけ薬に頼らず治したいあまり、いろいろな逆流性食道炎に関する文献やホームページを読み漁り、少しずつ日常生活を改善していくことで、結果的に一番健康的に、そして一番継続性のある、安定した体調と生活を取り戻すことができました。

 もっとも参考にしたページがマツモト先生のサイトです。

もしご興味があれば、見てみて損はないかと思います。

見直すべき日常の習慣とともに、簡単に生活に取り入れられる呼吸法やちょっとした運動などが紹介されています。

あなたも薬のみに頼り切ることなく、自身の生活を健康面の観点から見直して、副作用への恐怖のない治療生活を送りましょう!