こんにちは。私は逆流性食道炎を患って3年になる主婦です。今現在は病気も治癒し安穏な日常生活を送っていますが、治療中には色々な種類の薬を飲み、副作用を恐れた経験もあります。
今回は、中でも主な治療薬として使っていたプロトポンプ阻害薬(PPI)についてとその効果・副作用について書いてみたいと思います。
プロトポンプ阻害薬(PPI)の副作用はなんと9つもあるんです
この闘病備忘録が、現在も同病に苦しむ方の役にも立てば幸いです。
私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。
■プロトポンプ阻害薬(PPI)とは?
まず、プロトポンプ阻害薬(PPI)について。
これは、ざっくり言うと「胃酸の分泌を抑制する薬」です。具体的には、プロトポンプという体内で胃酸分泌を行う器官の働きを制御することで、胃酸の分泌そのものを抑えています。
逆流性食道炎の場合、胃酸が食道に逆流してくることで食道や胸元が焼け付く感覚があったり、酸っぱい感じが喉元までのぼってきて口内まで押し寄せてくる感覚があるので、そういった辛さを和らげるためには、このPPIは非常に有効に思えます。胃酸の量が減り、逆流がなくなれば、食道の炎症が癒えていき、辛い症状が出てくることも減ってくるからです。
しかし、薬というからには、副作用がつきもの。しかも、このPPI、結構な種類があるのですが、この働き自体に実はなかなか恐ろしい副作用があることがわかってきたのです。
- ●プロトンポンプ阻害薬(PPI)
- タケプロン、オメプラール、オメプラゾン、パリエット
プロトポンプ阻害薬(PPI)の副作用
では、次にPPIの副作用について見ていきましょう。
少々意外なものや、恐ろしく感じられるものも含めて、以下のような副作用がありました。
- 過敏症(発疹など)
- 頭痛、めまい
- 便秘、軟便、下痢、吐き気
- 血液系の疾患
- 骨粗鬆症のおそれ
- 服用中止後の病状悪化
- 肝機能障害(※頻度は稀と言われています)
- 腎臓病の発症リスクがUP
- 認知症の発生リスクがUP
……結構たくさんの、しかも多種多様な副作用がありますよね!
この中でも、過敏症や頭痛・めまいに関しては、他の一般的な薬同様、「体に合う・合わない」の部分もそれなりに大きな要素だと思いますが、次の項目以下について、もう少し詳しく見てみましょう。
●便秘、軟便、下痢、吐き気について
胃に作用するはずの薬なのに、それが便秘や、あるいは真逆の軟便に下痢、そして吐き気などももよおさせるというのは、なんだか不思議な感じがしますよね。
これは、胃酸を抑制する=食物の消化が不良になることによって、食べ物が詰まって便秘になってしまったり、逆にうまく消化がなされないまま食べ物が流れて軟便や下痢になってしまったりすることによります。
吐き気についても同様、消化不良由来ということですね。
●血液系の疾患・骨粗鬆症のおそれ
結局、長い歴史をかけて人間の体のメカニズムは出来上がっており、その中で必要なものとして組み込まれている「胃酸の分泌」を抑制してしまうことで、古来から本来人間の体に必要な栄養素を、食べ物から「分解・吸収」することができなくなってしまい、体というか生命体としての根幹である「健康な血液」や「健康な骨」を作ることさえ阻害してしまうのです。
具体的には、マグネシウムやビタミンB12などのビタミン類、マグネシウムがあることによって吸収を促進されやすいカルシウムが、胃酸の抑制によって分解・吸収されづらくなります。
カルシウム欠如による骨の軟弱化や骨粗鬆症のリスク(※他にも股関節・脊髄・手首などの骨折リスクもあがります)はわかりやすいですが、マグネシウム不足による低マグネシウム血症が起こると、筋力低下や骨折、不整脈、痙攣やしびれなどの症状が起こることもあります。これは長期的な服用が続けば続くほどリスクがあがりますが、なかなか恐ろしいことです。
また、ごく稀な特異な副作用ですが、白血球や血小板が減少してしまう、血液障害の恐れも報告されています。
●服用後の病状悪化
これまた意外な副作用な気がしますが、原理は単純に「リバウンド」のようなものです。
薬の作用によって胃酸の分泌が減ると、胃の中の酸性値が下がります。すると、そのことを察知する体の中の器官があって(G細胞といいます)、胃の中の酸性値を上げる(と、いうより元に戻そうとする)ために、余計に胃酸の分泌を体に命じるようになってしまうのです。
薬の服用期間中は分泌を抑える作用があるため症状は現れませんが、服用を止めると逆の作用が起こるため、結局は本末転倒な状況になってしまい、却って病状が悪化してしまうことすらあります。
●肝機能障害
これは一般の薬物の副作用にもちらほら書いてあることで、「稀」とは書かれていますが、報告としてはほどほどの量があるようです。
●腎臓病の発症リスクがUP
薬を服用してそれが体内に吸収されるということは、本来自然に体の中に入ってくるものと全く異なるものを体がどうにかしようとするので、体中の他の臓器にも、必要以上の負担をかけてしまうんですね。
米国医師会雑誌に掲載された論文では、PPIの長期服用患者と、一般的な(薬を服用していない)患者の数を比較して、統計学的にPPIの服用が慢性腎臓病に関係があることを指し示しています。
●認知症の発症リスクがUP
これも米国の医師会雑誌に掲載されたドイツの論文でも言われていることで、なんと定期的にPPIを服用している場合、認知症発生リスクがそうでない人に比べて「1.44倍」になるというデータが出ています、
これはビタミンB12 の不足や、副作用としての脳にアミロイドベータというタンパク質が染み付きやすくなる可能性によるものと考えられています。
他にも、3ヶ月以上の服用によって、それまでの患者自身の生活や体質とはまるで関係のないような関節症や感染症、血栓症になるリスクが高まるおそれについても言及されています。
プロトポンプ阻害薬(PPI)に頼らずに済む治療のために
これだけ恐ろしい副作用を、確率が低いものが多いとはいえ併せ持つPPIを長期に渡って服用し続けることは、大変恐ろしいことに思えますね…。
私も服用期間中は、ちょっとたまに便秘気味かな? あるいは軟便気味かな? というくらいで、
日常生活上よくあることだろうぐらいに思ってさほど気にはしていなかったのですが、改めて調べてみて、怖くなってしまいました。
しかも、今の日本では、「風邪を引いたらとりあえず抗生剤」じゃないですけど、「逆流性食道炎だったらとりあえずPPI」といったような風潮があるようです。つまり、医師側も、細かく考えず「ひとまずPPIを出しておくのが常套手段で、間違いないだろう」ぐらいにしか思っていないということです。
こういった医学会に蔓延する「常識」や、医薬品業界のマーケティング的な要素もあって処方されているのだとしたら、結構恐ろしいことだと思いませんか?
しかも、PPIは一見症状を抑える効果も高く、副作用も少ないように思われていてしかも長時間効き目を保つものが多いので、楽になりやすく持続性があることから、長期服用への依存が容易な薬でもあります。
薬に頼る悪循環から抜け出すために
私はそもそもの薬の長期服用が嫌になってしまい、「何か、薬を飲むこと以外で出来る実践方法はないか?」という着眼点であれこれ治療法を模索したり考えては、実行していました。
その結果、なんだかんだで一番効果があったものは、これも意外にも「自分の実生活を見直す」という、最も身近で簡単なものでした。
食生活を改善したり、アルコールや脂っこい食事、カフェインなどのいわゆる「体に良くないイメージ」がつきまとうものの摂取頻度を減らしたり。
こういったことについても、単なるイメージだけで行っているわけではなく、逆流性食道炎に詳しい方や(私は特に、丁寧で見やすかったので、マツモト先生のホームページを参考にしました)、その実践例を見ながら実行していったものです。
あとは、呼吸法や簡単にできる腹部の筋肉の使い方を練習して、逆流性食道炎にまつわる筋肉組織そのものを少しずつ鍛えながら、長い目で体全体の健康を通して有効な方法を試していきました。
その結果、薬ではなく「自己治癒力」による症状の改善が見られてきました。正直、いま薬の副作用について振り返ってみてもホッとしています。
薬を長期的に服用することや副作用について不安がある方は、そういった方法も、ぜひ試してみてくださいね。みなさんが安心して健康な体に戻れるよう、応援、お祈りしています。
マツモト先生のサイトと出会い、マツモト先生のメルマガを通じて逆流性食道炎が良くなり、心も体も元気になりました。
その考えを普及したいと思い、サイトを立ち上げました。
マツモト先生から許可をいただき、私のサイトからもメルマガ登録できるようになりました。
私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。
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