逆流性食道炎の治療中に、漢方薬での治療を試して効果が出なかった、という方はいますか?
私は実は、その一人です。
長い間、薬物治療を続けてきてすっかり嫌になってしまい、サプリメント系を試してみるのも何となく抵抗があって、友人が「効果を感じた」と進めてきた漢方薬を試してみたことがありました。しかし、効果はいまひとつ、お金がかかっただけでした。
どうして私には効かなかったのだろう? どうしていれば良かったのだろう? その後、疑問解消のために少し調べてみたことをまとめました。

私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。
Contents
逆流性食道炎治療時の漢方薬という選択について
逆流性食道炎は、通常、病院で診断が下された後西洋医学的なアプローチとしてPPI(プロトポンプ阻害薬)やh2ブロッカーなどに代表される治療薬が処方され、薬物治療が始まります。
しかし、長年の薬物治療の継続や薬との相性、根本的な原因が治療薬では解決できないなどの理由によって、もはやそういったお薬では効果が出ない、ということも起こりえます(私もそうでした。詳しくは別のページにまとめてあるので、よろしければそちらをご覧ください)。
そんな時に、一縷の光として試してみたくなるのが漢方薬です。
イメージとして、自然由来で体に優しい、それなりの期間飲んでも副作用が無さそう、病気の治癒だけでなく体質改善にも良さそう、病気の根本的な原因の部分にアプローチして治してくれそう……などといった印象もあります。
それなのに、今回の私のように、漢方薬が効果をもたらさないケースがあるのはなぜでしょう? それについて、順に見ていきたいと思います。
漢方薬の効き目が出ない理由
上に書いたように、「体に良い」「体内の、病気の根本原因や体質そのものに対してアプローチしてくれる」といったようなイメージのある漢方薬。でも、私のように、効果を感じられない人もいます。それはなぜでしょうか?
体に合わない
ひとつは、漢方薬そのものが使用者の体に合っていないパターンです。
病気そのものの症状ひとつひとつに対して対抗策が考えられ、その症状を抑えるための体の仕組みにピンポイントで作用して、半ば強制的に機能を変えて病気の症状を抑えるのが、西洋医学的な薬物治療のアプローチだとします。
これに対して漢方薬は、使用する人の体質や体組成の、ぼんやりとした全体像に生薬などの作用でやんわりと働きかけます。いわば、一般的なイメージの「薬」と、「特定の強い力を持つ成分のみが集まってできたものを、食事をして体に栄養素を取り込むような方法下で摂取する」イメージ、の中間点です。
食べ物も、人によって合う合わないがありますが、漢方薬は薬効成分を多く含むものなので、薬物的な意味も含めてよりその「合う合わない」が顕著に出ます。副作用が出る場合もあります(これについては、また後にまとめます)。
なので、私のように「友人に勧められて」飲んだ場合など、友人と私ではそもそもの体質が違うはずなので、効かないケースがあるのも当然なんですね。
漢方は非常に繊細で、個人個人の症状にマッチしたものを飲んで効き目が現れるものです。なので、病気の根本原因となっている体質の部分と、使用する漢方薬の作用が一致しなかった場合には、飲んでいる意味がなくなってしまいます。
質がよくない
もう一つ、効き目がない理由の大きなものとして考えられるのが、「漢方薬そのものの質がよくない」ものを選んでしまっている、という可能性です。
同じ漢方薬でも、市販のものを適当に買ったところで、質の良し悪しなど私のような素人目では、わからないのが現状です。
しかし、先ほど説明したように、漢方薬は生薬など、自然食品の栄養素に近い、自然由来の成分が多く配合されて作られているもの。
大量生産で多売することを目的に作られているような類の漢方薬では、もとになる成分にこだわることがしづらかったり、そもそもの質があまり良くないものが原料として使われがちだったりするので、効き目が出づらいのも当然ですね。
飲み方が間違っている
これに関しては、私は気をつけるようにしていましたが、「漢方薬の飲み方」も漢方の効き目の出る出ないについては重要項目であるようです。
まず、正しい飲み方は「お湯で飲むこと」。特に、白湯が良いです。
下手にお茶や他の清涼飲料水、ジュースなどで飲んでしまっては、そもそも吸収される前にそれらの飲み物との成分で反応を起こしてしまうなどして、効果が半減されてしまいます。
また、「空腹時に飲むこと」。これも同じように、食べた食材の持つ成分や栄養素と競合してしまったり反応を起こしてしまうことがあるため、と考えられます。
ただし、漢方薬によっては「食後」などと定められているものもあるので、注意しましょう。
効くまでに時間がかかる
漢方薬は、西洋医学系の治療薬と違い、少しずつ使用者の体質に働きかけていくものです。
そのため、即効性が出づらく、効果を感じるまでに時間がかかることが多いです。
長期の服用が時間的にも金銭的にも覚悟できる場合は良いですが、そうでない場合は、なかなか効果が出ないことに対してやきもきしてしまうかもしれません。
- 体に合わない
- 質がよくない
- 飲み方が間違っている
- 効くまでに時間がかかる
漢方薬にも副作用がある?! どんな時に副作用が現れるか
さて、効き目が出ないだけならいざ知らず、もっと恐ろしいことに、漢方薬によって副作用が現れることもあります。場合によっては重篤なものになるので、注意が必要です。
体に合わない場合
これについては上で見てきた通りですが、体質によっては、相性が悪いものを間違って飲んでしまうと重篤な副作用が出るケースもあります。
飲み合わせが悪い
これも同様、相性の問題ですが、たとえば今使用している治療薬との飲み合わせが悪い、自分で選んで同時服用している漢方薬との飲み合わせが悪い、ということになると、化学成分や強い薬効成分同士の反応で体に悪影響を及ぼすことになるので、大変危険です。
そもそも漢方薬を試すときは、きちんとお薬手帳を持って、薬局などで相談して薬同士の飲み合わせを確認してから服用を始めるのが良いでしょう。
薬効成分が強すぎる
たとえば、体内の機能が弱っているところに強い力を持つ漢方薬を飲んでしまうと、却って胃腸に負担がかかり、胸焼けやゲップなどの症状が悪化してしまう場合もあります。この場合、逆流性食道炎の治療には逆効果になってしまいます。
また、副作用とは違って、これはむしろ漢方薬での治療においては通る道とも言えるのですが、これを「瞑眩反応」と言います。
瞑眩反応
といったものが、人によっては出たりします。これは、例え体質に合ったものを飲んでいたとしても、治療の最中に一時的に症状が悪化して現れるものです。
ただし、素人判断では、慣れない症状が出たときにそれが瞑眩反応によるものなのか副作用によるものなのか、非常に判断がしづらいです。
少しでも不安な要素が見られたら、服用を中止して、お医者さんにで相談しましょう。
- 体に合わない場合
- 飲み合わせが悪い
- 薬効成分が強すぎる
- 瞑眩反応
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より良い治療のために
ここまで漢方薬を飲んでも効果が見られない理由やもっとおそろしい副作用などについて見てきましたが、それでは、もっとより良い治療の選択のためには、何をすれば良いのでしょうか?

どうしても漢方薬にこだわりたい方は、専門医に相談するのが良いと思います。
実は、私も知らなかったのですが、漢方薬専門のお医者さんというのが地域によっては存在しているようなのです。
そこで、自分の症状や生活状況等を話して、自分の体質によく合うものを処方してもらいましょう。本やインターネットで調べてみても、漢方薬は薬の知識も合わせて難解なものが多いので、プロに聞くのが一番早くて確かだと思われます。

もちろん、その際はお薬手帳の持参を忘れずに。
ただ、この漢方専門のお医者さん、地域によっては見つけるのが難しいかもしれません。そんなときは、近所の内科や胃腸科、消化器内科の先生に相談してみましょう。
しかし、そこまでして漢方にこだわって長い期間お金をかけて漢方薬による治療をしなくても、「体の仕組みや病気の原因に根本的に働きかける」ということなら、もっと他にできることがあるのではないかと思います。
私は実際に漢方薬を飲んでも効果が感じられなかった方なので、自分の病気の根本原因に働きかける行動として、そもそもの自分の生活習慣や、必要な栄養素を普段の自分の食事から取り込む、ということに注力するようにしていました。
すると、時間はかかりましたが少しずつ改善が見られてきたのです。漢方薬と同じように多少の時間は必要だけれど、薬のようにお金は必要以上にかからないし、しかも日頃の生活を見直しているわけなので薬を止めた瞬間効果がなくなる、といったような心配もなく、一石二鳥です。
私が実践した方法について、詳しくは別のページでまとめているので、そちらもご参考にされてみてください。
また,逆流性食道炎.comでは逆流性食道炎についての詳しい解説や日常生活でも実践できる症状改善のための方法などが載っているので、一度ご覧になってみるのも良いかと思います。実際、私はだいぶ参考にさせていただきました。
逆流性食道炎の症状は辛いのに、治療薬や漢方薬の効き目をあまり感じられずに困っている皆さんも、ぜひ日頃の生活を見直して、根本からの原因解決に取り組んでみてくださいね。

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