3年前から逆流性食道炎を患い、今年50歳になる主婦です。備忘録を兼ねて、闘病記をまとめています。
「PPI(プロトンポンプ阻害薬)を逆流性食道炎治療時にオススメしない理由」について、今回は書いてみました。どなたかの参考になりましたら幸いです。
PPIの副作用については「認知症/骨粗鬆症/多臓器疾患も!プロトポンプ阻害薬(PPI)の恐ろしい9つの副作用を解説」
こちらの記事を参考にしてください!
Contents
逆流性食道炎治療時の最初の選択、PPI(プロトンポンプ阻害薬)
私がはじめて、自分の症状の正体もわからずに近所の消化器内科の門を叩き、「逆流性食道炎」という診断をくだされPPIの一種であるタケプロンを処方されたとき、その効き目に大いに助けられたものでした。
天にも昇る心地で束の間の病気になる前の生活を楽しんだものです。
しかし、薬を飲み続けてしばらくすると、1日1回飲んでいるはずなのに時間帯によって効き目が切れてきたり、少し調子が良くなって薬を止めようとすると却って治療前よりリバウンドめいた辛い症状が襲ってきたりと、おかしなことになってきたのです。
私は、もともとは薬というものにたいしてあまり寛容的ではなく、できれば薬を飲まずにあらゆる病は治したい、できるだけ自然的に健康に過ごしたい、という気持ちを持っていました。
それでも、あまりの逆流性食道炎の症状の辛さに、病院を転々としたり、いくつもの種類の薬を代わる代わる飲んで、症状を抑えることを試みたりしていました。
そのうちどうにも収まりきらない症状に、薬に対して疑問を覚えるようになりました。
今回は、PPIが逆流性食道炎治療時にもたらしてくれる効果から、疑問のある部分、副作用、この薬をオススメしない(却って止めたほうがいい)理由についてお話ししていきます。
PPIのもたらす効果
まず、最初にお話しした通り、逆流性食道炎という診断のもとで始めに投薬治療を開始するときに、第一選択薬として選ばれやすいのがこのPPIです。
PPI、プロトンポンプ阻害薬の主な働きは、胃酸を抑えること。
逆流性食道炎の、あの焼け付くような胸の苦しさや喉元の痛み、口内に感じる酸っぱい風味の正体は、全て胃から食道を通って逆流してくる胃酸による症状であることが多いのです。
その、そもそもの原因である胃酸の分泌を抑えることによって、逆流性食道炎の諸症状を楽にしてくれます。
逆流性食道炎の治療薬には何種類かありますが、このPPIが最も効き目が強いので、高確率で最初に出されるものになります。
これだけ聞くと、いいことづくめで、まったく問題なさそうですよね。ですが、私はオススメしません。
PPIの問題点?
では、なぜ、それだけきちんとした効果が証明されていて、私も一度はそのお陰で楽になれたPPIが、やがて効果をもたらさなくなってしまったのでしょうか?
オススメできないようなものになってしまったのでしょうか?
それは、もちろんお薬が人によっては合う合わないがあり、効果をもたらさないというパターンもあるのですが、私のように一度は効果を感じられた場合でも、継続的な根本治療としての結果が得られなかった、ということの証拠でもあるのです。
PPIは、先ほども説明したように「胃酸を抑える薬」です。
「胃酸を抑える」ということは、私の体にトラブルを起こす原因となっている胃酸を薬の力で「一時的に」抑制してはくれるけれども、私が胃酸過多になってしまっていた根本原因については、何も作用してくれなかったということです。
また、逆に、脳の中にある胃の中の酸の濃さを感じる器官が、PPIでの薬の治療下で、胃の中の酸性が弱まっているのを感じて「もっと胃酸を出さなきゃ」と思ってしまい、その結果薬の服用をやめると指令だけが残って却って胃酸が増えてしまう、という現象も起こります。
PPIは強力な薬とはいえ、やはり1錠ごとに効力を発揮する時間は限られているため、飲んですぐの時間帯には効いていても、人によって、あるいは症状が酷い時によっては、次に薬を飲むことができる時間帯までに効果が切れてしまうこともあります。
PPIの副作用のおそろしさ
それだけではなく、のちに調べてみると、PPIにはおそろしい副作用の可能性も隠れていることがわかったのです。
以下に列挙するのが、その主な副作用です。
- 過敏症(発疹など)
- 頭痛、めまい
- 便秘、軟便、下痢、吐き気
- 血液系の疾患
- 骨粗鬆症のおそれ
- 服用中止後の病状悪化
- 肝機能障害(※頻度は稀と言われています)
- 腎臓病の発症リスク上昇
- 認知症の発生リスク上昇
なかなかにおそろしいと思いませんか?
最初の方の項目は、一般的な薬の諸注意にも書いてあるように、いわゆる「お薬と個人との相性」的な面が強く見られるような気がしますが、
・便秘、軟便、下痢、吐き気
などといった副作用は、
実はPPIが胃に関する薬であるにも関わらず、胃酸の抑制によって引き起こされる消化不良の現象によって起きてしまうんですね。
実は、その次の
「・血液系の疾患」
や、
「・骨粗鬆症のおそれ」
などについても同じこと。
結局のところ、胃酸が抑制されたことによって十分な必要栄養素を体が吸収できず、体の各方面で組織や臓器が脆くなってしまうのです。
「・服用中止後の病状悪化」
については、先ほど説明した通りですね。
また、
「・認知症の発生リスク上昇」
というと、少し意外な気がしませんか?
これも栄養素の一つであるビタミンB12が胃酸の抑制によって吸収が阻害され不足してしまうことや、脳に余計なタンパク質が絡みやすくなる状態が起きてしまうことによって確率があがるもので、アメリカの医師会雑誌に発表されたドイツでの研究結果論文に書かれていることです。
そのリスクの増大幅、普通のPPIを摂取していない人に比べてなんと1.44倍だとか。おそろしい数値ですね。
御年50歳、と色々な身近な人から同年代の友人同士での揶揄も含めてからかわれるようになりましたが、私自身もこれからますます老いゆく身と思うと、他人事ではなかったです。
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では、どうしたらPPIを使わず、根本的な治療ができるのか?
ここまでPPIの効能と、その一方でもたらされる(そして私にはPPIの持つ効果以上におそろしく感じられる)副作用の可能性や薬が効かない事例について見てきて、私がPPIをオススメしない理由については、十分わかっていただけたかと思います。
それでは、逆流性食道炎の根本治療のためには、一体どうすれば良いのでしょうか?
色々と調べてみた結果、薬を使わなくても、逆流性食道炎の根本治療はできるということがわかりました。
特に、私のように長くこの病を患い、様々な薬を試してみたけれど効果がいまひとつ、もしくは出なかった、という人にはオススメの方法です。
生活習慣の見直しから始めて見ることが大切
あまりにも単純なことだと思うでしょう? でもね、これが何よりも大切なのです。
病に苦しんでいた最中、私は今の私よりもう少し太っていたし、いつもお腹のあたりが苦しかったです。
今思えば、それが腹部を圧迫して、きつい体勢に自ずとなっていることで、胃にまでその圧迫感が伝わっていたんですね。
けれど体型を気にしてベルトをきつく締めすぎてみたりして、逆効果でした。
今この歳になっても続けているデスクワークのときも、つい猫背になるのを放っておいたり、仕事中のコーヒーの習慣や夫との晩酌の習慣をやめなかったり、夫の好きな味が濃く脂っこい食事に、もともと食べることが好きな私はつい付き合ってしまったり。
今思うと、体に、特に胃に対して、多大なる負担をかけるような生活ばかりしていたな、というふうに思います。
そこで、まずコーヒーとお酒の頻度を減らしてみました。
主人にも、自分の病気とその治療に効果のあることを話して、脂っこい食事を減らして、バランスの良い健康的な食事を心掛けるようにしました。
姿勢にも気をつけ、呼吸法や胃の付近の筋肉を鍛える軽い運動をやってみたりして(マツモト先生のページなどで詳しく紹介されています)、多少運動するようにもしてみました。
すると、なんとなく少しずつ体重が減ってきたというサブの効果もありましたが、それ以上にお腹の膨満感や苦しい感じが減っていき、自ずと食生活や自分の飲食習慣由来の胃酸過多になる要因も減ってきて、結果的に逆流性食道炎の症状がずいぶん良くなったんです!
調子に乗ってあれやこれやと研究し、生活改善を図って日頃の習慣をすっかりあらためだしてからは、少しずつで時間はかかったけれども、逆流性食道炎の症状はもうすっかり良くなり、快調な日々です。
これが、私が逆流性食道炎の治療に必ずしもPPIをオススメしない理由と、代替としての改善案です。
PPIを飲まなくても、PPIに頼らなくても、逆流性食道炎の症状は良くなるし、完治に向かわせることもできるのです!
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