2.33.08

逆流性食道炎に3年間悩み続けた、50歳の主婦です。最近ようやく完治に近い状態になってきましたが、それまでに悩み続けた諸々について、備忘録の意味も含め闘病記としてまとめています。

 今回は、治療の一環として試した「整体での治療」について。

一定の効果はもたらしてくれましたが、根本的な逆流性食道炎治療には結びつかず、「整体に通えば病気そのものがよくなり、治療を続ければ快方に向かい、やがて完治する」といった考え方はオススメしません。

 今回は、その「整体に行くのはオススメしない理由」について書いていきたいと思います。

私

私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。

見直そう:根本原因

 では、まず、ここで逆流性食道炎の根本原因に立ち返って考えてみましょう。

逆流性食道炎のメカニズムは、
『食道と胃の部分をつなぐところにある「下部食道括約筋」がなんらかの原因によって弱ってしまい、弁の役割を果たさなくなることで、胃から食道に向かって胃酸が逆流してしまうこと。』

その結果逆流した胃酸によって食道が焼かれてしまい、炎症を起こしてしまう病気です。

そこに至るには諸々の原因があります。私もそうだったように、

  • アルコールが好き
  • カフェインが好き
  • 脂っこい食事が好き

などの要因から、胃に負担をかける(結果、胃に多量のものが入りすぎてしまったり、消化のために胃酸が倍増する)ような食生活ばかり送ってしまっていたり、

  • 猫背
  • お腹周りのお肉やベルトの締め過ぎなどの要因でお腹に負荷をかけている(腹圧が高い)
  • 寝るときの姿勢が悪い

などの要因から、そもそも物理的に胃やお腹のあたりに恒常的に負担をかけてしまっていたり、
そういった諸々の生活習慣がつもりにつもったことが原因となって、逆流性食道炎の症状を引き起こします。

■整体によるアプローチ

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では、それに対して整体が行ってくれるアプローチには、いったいどういったものがあるのでしょうか?

●自律神経へのアプローチ

 

ホルモンバランスを整えたり、全身に指令を下す機能を司ることに関連するツボなどを刺激します。これによって、自律神経や交感神経・副交感神経のバランスを整えて、体と心のストレスを緩和し、体のこわばりを解いていきます。
●神経の活性化

 

体内の臓器の各機能を司るツボを刺激するなどして、体内臓器やそこに至る神経の働きを活性化させ、体全体の動きを活発化します。
●骨格のゆがみの矯正

 

姿勢などを正してくれます。
●臓器のコリをほぐしてくれる

 

疲れがたまっている、疲労によって機能の低下が感じられている臓器に効能のあるツボや、直接的に刺激を与えることができる部分に働きかけることで、臓器のコリをほぐし、機能の活性化、健全化を促してくれます。

 このように、全体バランスを見て整えていくアプローチや、各々の臓器や症状にピンポイントに適した措置、骨格を整えていくアプローチなど、様々なものがあります。

 整体は施術幅が広く、アプローチ方法も院によって様々なので、「主なもの」として挙げたここに書いたようなアプローチ方法以外にも、各院によって様々な、オリジナリティのあるアプローチ方法や施術が行われている可能性が高いです。

問題は、このメニューが院によって異なっていることと、それぞれの効果を感じるのに、大体の場合、一定の通院期間と高い治療費が必要なこと。

ナースナース

次の項目で、もう少し詳しく見ていきます。


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整体の問題点 –

 ここで、「整体」そのものについて、もう少し詳しく知っておきましょう。そもそも、「整体」って、一体どんなところなんでしょうか?

 「接骨院・整骨院」、「カイロプラクティック・整体」、「整形外科」……

素人感覚で、似たようなジャンル(と言ってしまうと各業界の先生方に失礼かもしれませんが)に思われる「◯◯院」の種類って、考えてみるだけでもこれだけのものがあるように思います。

 この中で、
・接骨院、整骨院、整形外科は、国家資格が必要になってくるものです。

整形外科はいわずもがな医師免許必須のお医者さんですが、接骨院、整骨院は、柔道整復師という国家資格が必要になってきます。つまり、上記の3つは、国によって定められた資格をパスしないとなれない・開業できないお仕事だということです。


では、その一方で
・カイロプラクティック、整体はどうでしょうか…?

これら二つについては、なんと、無資格での開業ができます。

もちろん、名乗ることもできます。綿密には国家的に認められた医療機関でもないので、保険の適用ももちろんできません。

これが、カイロプラクティックや整体での医療費が高額になってしまう所以でもあるのですね…。

 しかし、もちろんまったく医学的根拠がなく行われている、というわけではなくて、要は伝承技能、統計的な民間での医療に特化して伝承形式で受け継がれてきた技能を実践しているような、いわゆる「民間療法」のような形になります。

 逆に言えばそれゆえに、一つ前の項で書いたような、幅広い範囲の治療メニューを網羅でき、たくさんの方法によるアプローチ法を持ち合わせている、ということなのですね。

ナースナース

では、それによって、いったい何が起きてくるのでしょうか?

一つは、
1.各患者さんへの症状原因の定め方やアプローチ方法が院によってまちまちなので、治療方針の統一性がない
ということです。
 もちろん、一般の病院でもお医者さんによって患者さんの症状別の診断名は異なることがありますが

似た専門科のお医者さんであればみなさん資格を取る際にある程度一定の統一された知識に関するお勉強をされてきており、たとえ一つの病院の診断が合わなくても、セカンドオピニオン、サードオピニオンくらいではある程度落ち着いた最終診断がもらえたりします。

そうは言っても、当然、こちらにいらっしゃっている皆さんの中には「同じ症状で苦しんでいるけれど、病院をたらい回しで診断名や病状が落ち着かないぞ」という方もいらっしゃるかもしれません(そういった方対してはさきほどのような書き方をしてしまい申し訳ありません)。

ですが、整体ではもっとそういった幅が広がってしまい、自分に見合った診断を下して診察してくださる院に巡り会うまでが、非常に困難になってしまうのです。いわゆる「星の数」問題です。


二つ目は、
2.治療費が高い
という問題です。一つ上の項で書いたように、整体での治療には保険が適用できません。なので、全額自費払いになってしまいます。大体の相場は初回で初診費を入れて1万円程度、2回目以降が5〜6000円といったところでしょうか。格安の整体などもありますが、そういったところは大体ピンポイントの、対症療法に特化しています。


3.対症療法に特化してしまい、繰り返しの治療が必要(=通院期間が長引く)
ということです。

 一つ目の問題の部分では、院によって患者さんに対するアプローチが安定しないという点を指摘しましたが、この「対症療法」の問題では、さらに「対処してくれるポイントが狭い」という難点も出てきてしまいます。

要は、一つ目の問題点は捉え方によっては「体全体に対して様々なアプローチをしてくれる院もあるかもしれない」という可能性があったものの、こちらの三つ目の問題ではそれすらも低くなります。

実際のところは「その時だけ効く、胃を一時的に楽にしてくれる治療」「その場限りの、背骨を始めとする骨の歪みや姿勢を直してくれる治療」に特化してしまい、結果的にすべて「一時しのぎ」となってしまう状況で、通院が終わって少しすればまた治療を再開せねばならず、あるいは定期的に通い続けなければならないという、ある種の泥沼化が待ち受けています。

 そして、一つ目の「星の数問題」と合わせて、こういったピンポイントでの、繰り返し通院が必要な上に根本的な要因の対処にはなっていない、継続治療が半ば強要されてしまうような対処のみが行われているような整体が実際は多数あるのです。

 しかも、中には一つ前の項目に書いたようにほぼ素人同然の方が行われているような施術もあるので、場合によっては却って悪化してしまうことすらあるようです。おそろしいですね。

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根本要因をきちんと見直して生活習慣改善などから地道で身近な治療に励むのが最良

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 そもそも、最初に見てきた「逆流性食道炎の根本要因」と、二項目以降で見てきた「整体で受けられる治療の実態」に、微妙な解離があることにお気づきでしょうか? そう、「逆流性食道炎の根本要因」は、食生活や姿勢などの生活習慣に起因するものであるにもかかわらず、「整体で受けられる治療」は、体全体のバランスを整えてくれるものならまだしも、場合によっては局部局部の対処療法にしかならず、

結果的には薬による症状の一時的な仮凌ぎ、薬物治療と同様の「一時凌ぎの効果」しかもたらさない場合も往々にしてあるのです。

 しかも、保険がきかず、治療費が高くて継続通院が必要となったら、庶民派としてはお財布へのダメージも相当なものです。

 そこで、実際はどのような対処を取るのが一番望ましいのでしょうか?

 結果的には、親切な整体の院の先生などは薦めてくださることですが(そして、そういった院では往々にして丁寧な治療が行われています)、食生活の根本的な見直し、日常でもできる姿勢改善などによる、

自身の生活習慣、生活そのものの見直しをすることが、長い目で見て一番有効性が高く、お金もかからず確かでしかも症状全面に効果のある対処法なようです。

私

整体でも、実際に治療を受ければその時一時限りは効果があります。私も、少しでも体が楽になるのが嬉しくて、ずいぶん通いました。

 また、同病の知人の中では、「整体に通って良くなった」という人もいます。その方は、相当運良くいい先生に巡り会うことができたのだと思います。
また、経済的にも不自由のなさそうな方だったので、そういう意味でも相性良く巡り会えた院での整体的アプローチでの治療には向いていたのでしょう。

 

私

ですが、そういった院に巡り会うのは、特に地方などによって行ける院の範囲が限られていたりすると困難ですし、まずは地道に自身の生活の見直しから行うのが、結果としては一番良いでしょう。

マツモト先生のサイトと出会い、マツモト先生のメルマガを通じて逆流性食道炎が良くなり、私は心も体も元気になりました。

その考えを普及したいと思い、サイトを立ち上げました。

マツモト先生から許可をいただき、私のサイトからもメルマガ登録できるようになったのでメルマガ登録することをオススメします。

2.18.18