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管理人は逆流性食道炎を患って3年になり、ようやく完治状態に向かってきた50歳の主婦です。ここでは、備忘録も兼ねて闘病記や、自分でいろいろと調べてみた病状への対処法などをまとめています。

私

周りにも同病や近い症状で悩む人が多いので、今回は、「胃酸過多状態の時の対策」についてまとめてみました。


胃酸過多を治す方法にはどんな方法があるのか、一緒に見ていきましょう。

■胃酸過多の症状と原因

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 ではまず、胃酸過多になってしまうとどのような症状が出てしまうのか、またなぜ胃酸過多の状態になってしまうのかを見ていきたいと思います。

胃酸過多とは、食べ物を消化するために分泌される胃酸が、胃から必要以上に分泌されてしまっている状態のことです。

 胃酸過多になると、以下のような症状が現れます。

  • みぞおちや胃が痛む
  • 胃液が逆流してきてこみあげてくる感覚がある
  • 口内に酸っぱさを感じる
  • 口臭
  • 気分が悪くなる、吐き気がする(食事をしていない時でも吐き気がする)
  • 食欲不振
  • ゲップの増加
  • 胸焼け
  • 下痢

 では、なぜこういった症状が現れてしまうのでしょうか

胃酸はとても酸性度が高く、その強い酸で食べ物と一緒に体内に入り込んできた細菌などを殺菌してくれる作用があります。しかし、その一方で、体内の胃や食道の壁そのものも溶かしてしまうほど、その酸のパワーは強力です。

そこで、普段胃の内部では、粘膜細胞から粘液が分泌されることで胃の中に粘膜がつくられ、胃の壁をおおって守っています。

そして、このバランスを保っているのが自律神経です。自律神経、すなわち交感神経と副交感神経が、24時間、私たちが意識せずとも絶えず働き続け、体全体の機能のバランスを取っている中で、胃酸と粘液の分泌も、うまく互いを制御し合いつつ、バランスが保たれるようにしているのです。

 ところが、何らかの要因によりこの自律神経のバランス、ないしは、胃に直接負担がかかることにより、胃酸過多の現象が起こります。

厳密には、胃酸過多の原因には「ストレス過多により副交感神経の方が活発化し、結果胃酸を多く分泌してしまうケース」と、「血液中にあるガストリンという物質が増えたり、胃に直接的なストレスが加わることで、結果胃酸が多く分泌されてしまうというケース」の二通りがあります。

 では、それぞれのケースについて見ていきましょう。

□自律神経を狂わせる精神的なストレス

 まず、さきほどお話しした自律神経に関する要因の方から見ていきましょう。
 自律神経についてもう少し詳しくお話しします。

 2種類の自律神経の中で、「胃酸の分泌」に強く関わるのは副交感神経です。

 交感神経の方から見ていくと、交感神経は主に昼に活発になる神経で、仕事や運動をするときの心臓の拍動や血圧を高め、精神を含む体内の活動を活発にします。

 対して副交感神経は、睡眠や休息など、体が休むモードの時に優位に働く神経です。交感神経優位の時とは逆に、心臓の拍動をしずめ、精神を含む体内の活動を鎮めます。主に夜に優位になります。

 通常、食後の状態では副交感神経が優位に働き、胃酸の量が適度になるように調整し、分泌を促しています。食後のリラックスした状態下では血流も良くなり、胃酸同様に胃の壁を守る粘液についても、十分な分泌が促されます。

 ところが、精神的なストレス状態が長く続くと、今度は交感神経の方が過剰に動いてしまいます。結果、胃の働きを強めるような、必要以上の胃酸を分泌してしまうのです

 さらに、交感神経が張り詰めすぎてしまうと、血管を徐々に収縮させていってしまい、胃粘膜側の血行が悪くなってしまいます。すると、結果として胃壁を守る粘液の分泌量も減少してしまうのです。

 (※アイスクリームなどの冷たいお菓子や、冷えたビール、冷えた清涼飲料水など、冷たい飲食物が胃に入ってきたときにも、同様の血管収縮や血流が滞る現象が起こります。)
 その結果、粘液が十分に分泌されないことによって胃の壁が傷つけられたり破壊されてしまった場合に、胃酸過多時の症状につながっていってしまうのです。

自律神経のバランスを狂わせてしまう要因には、主に以下のようなものがあります。

  • 長期のストレス、慢性的なストレス
  • 過度に短い睡眠時間の連続、あるいは徹夜などによる寝不足
  • 働き詰めなどによる休みの過少
  • 更年期
  • 神経質な性格

私の場合ですが、寝不足などはあまりなかったものの、この年になってもデスクワークをやっているので、その仕事にまつわるストレスなどは多少あったように思います。

また、更年期は自分にとって意識してもしなくても重要な問題だったので、見逃せないキーワードでした。

自律神経を十分に機能させるのには、交感神経・副交感神経のバランスを整えて、毎日を健康に過ごせるよう心がける必要があります。

胃酸過多時に胃を守る粘液を十分に分泌させるのにも、自律神経が司っている体内の血液循環がとても大事なのです。

覚えておこう!
自律神経のバランスが乱れると、健康維持で最も重要な睡眠・呼吸・血流の機能低下を引き起こす

□胃に直接的にかかるストレス

では、他方、胃に直接的にかかるストレスの要因の方を見ていきましょう。
 
「ストレスで胃が痛む」とは巷でよく聞く現象ですが、まさにこれこそが、胃の中が胃酸過多になっている状況を表しています。

この要因は、一つ前の項で見た精神的なストレスだけでなく、「胃に直接負担がかかってしまう」状況下の身体的なストレスでも起こりえます。

 下記に、その要因となる食べ物や飲み物、食生活や普段の生活の習慣一覧について羅列します。

    *要因となる食べ物、飲み物

  • 熱すぎる飲食物
  • 胃の粘膜を刺激する食べ物
    • 香辛料など、辛いもの
    • 味付けの濃いもの(ソースや、濃い味噌汁など)
    • 繊維の多いもの
    • 固いもの
    • 酸味が強いもの
    • 菓子類
  • カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶・烏龍茶など)
  • 炭酸飲料
  • 柑橘系の飲み物(オレンジジュースなど)
  • アルコール
  • 脂っこいもの
  • 甘いもの
  • 食品添加物

    *上記以外の、具体的にあまり摂らない方が良い食品群

  • 固くてコシのあるうどん
  • 鶏卵
  • バター
  • かつお、さば、あじ、鯛、等の魚
  • ホウレン草
  • 里芋  etc.

    *胃へのストレスを増加させる生活習慣

  • 睡眠不足
  • 食べ過ぎ、飲み過ぎ
  • 過労などのストレス
  • あまり噛んで食べないこと
  • 不規則な食生活

以上で見てきたような飲食物を摂取したり、生活習慣があったり、というのは胃に大きなストレスを与え、胃酸過多を招きます。
 
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ぱっと見て「なるほど、確かにそれらしいな」と思う食べ物以外にも、少々意外に思われる「甘いもの」や「食品添加物」などがありますが、これらは体内で消化酵素を大量に消費してしまうもの群です。

消化酵素が体内で不足してしまうと、うまく食べ物の分解ができず、困り果てた胃がさらに胃酸を大量に分泌する働きをしてしまいます。

 胃酸が大量に分泌されている上に、胃の粘膜が傷ついてしまっているすでに胃酸過多のような状況下でも、追い打ちをかけるように上記の食べ物や飲み物を摂取してしまうことは、症状の悪化に拍車をかけてしまい、症状改善にかかる期間が長引いてしまいます。

胃酸過多への対策

 では、次に、胃酸過多への対策を見てみましょう。

  • 原因となる食べ物、飲み物を避け、胃酸過多の症状を和らげるのに有用な食べ物、飲み物を心がけて摂取する(食事療法)
  • 薬や漢方で症状緩和に努める
  • ツボ押し、マッサージ(※マッサージは特に寝る前が有効です)
  • 熱めのお湯で入浴(※食後は避けます)
  • 睡眠を増やす
  • 姿勢の見直し
  • 体を横たえて休む(※食後は避けます)体を動かしすぎずに休ませる
  • ぼーっとする、頭を空っぽにする時間を作る。頭を動かしすぎずに休ませる
  • 他にも、原因となる諸行動を避け、真逆の行動をする

まず、胃酸過多時に有効な食べ物、飲み物について説明します。

*胃酸過多時に有効な食べ物

おかゆ(おかゆでなくても、ご飯を食べる時は軟らかめに炊いたご飯の方が良いです)
大根おろし
発酵食品
和食系のメニュー
良質なたんぱく質を含むもの
弱アルカリ性のある重曹を含むもの
ヨーグルト(ホットヨーグルト)
LG21菌の入ったヨーグルト

*胃酸過多時に有効な食べ物、具体例
 山芋、ごま、梅干し、リンゴ、きゅうり、トマト、豆もやし、のり、納豆、豆腐、鶏肉、豆腐、乳製品、白身魚、味噌、醤油、納豆、ぬかづけなど

 全体的に、酸性食品を控え、アルカリ性の食品をとると良いです。胃酸が酸性なので、アルカリ性のものには「中和効果」があるからです。

 上記で紹介した食品の中でも、大根は「ジアスターゼ」という消化酵素を大量に含むので、胃酸を大量に分泌しなくても済むよう、消化を助けてくれます。他にも消化酵素を含んでいるのが、上に紹介したような味噌、醤油、納豆、ぬかづけなどの発酵食品です。

全体的に和食系のメニューだとこれらがバランス良く配合されることが多いので、おすすめです。


 また、食事療法でおすすめなのが「良タンパク質を毎日しっかり食べること」

上記具体例の食品群だと、「豆腐〜白身魚」がそれにあたります。特に豆腐は、胃酸過多の時に良い効果をたくさん持っているのでおすすめです。

 先に紹介した、「胃酸過多時に摂取しない方が良い食べ物」の具体例の中にはこれに該当するものがありますが、そういったものは避けて食べるようにしましょう。

 乳製品に関しては、飲酒時にもよく言われるように胃の壁に膜を張るのを手伝ってくれるので確かに有用ではあるのですが、一方で消化の側面から、あまり過度に習慣的に摂取しすぎるのも良くないようです。

 乳製品の中では、「LG21菌の入ったヨーグルト」が最も効果があると言われています。

 また、どんなに胃酸過多に効果のあるものであっても、空腹時には一気に食べないようにしましょう。症状悪化を促進してしまいます。

 胃痛が酷いときには、「絶食」をするのも効果的です。胃の中が荒れている状態で固形物を摂取するのは、胃酸過多に逆効果になるからです。

 仮に絶食を行った場合は、回復食として胃に負担をかけないよう柔らかい食べ物やスープ、みそ汁など栄養も取れて胃に負担がかからない食べ物から始め、
徐々に普通の食事に戻していきましょう。

<外部サイト>
逆流性食道炎患者のための食事指導!〜食べ物から食べ方まで〜

胃酸過多時に有効な飲み物

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  • アルカリイオン水、ミネラルウォーターなど、他アルカリ性の飲み物
  • 炭酸水でも、硬水の天然炭酸水など
  • 白湯
  • カフェインが入っていないお茶系(麦茶、ハーブティなど)
  • 牛乳(できたらあたたかいものがいいので、ホットミルク)
  • ココア(できたらあたたかいものがいいので、ホットココア)

先の食品の話でも紹介したように、「アルカリ性の飲み物」は、酸性である胃酸との中和効果があるのでオススメです。

 また、ココアには、胃に潜んでいる「ピロリ菌」を除去してくれる効果もあるとされています。

 胃酸過多による症状が辛い時には、普通のお水を飲むだけでも、胃液を流してくれる効果があります。少しずつこまめに摂取するのが良いでしょう。

 症状が苦しいときや、寝起き時に症状が出て辛い状態の時などにも、即効性を持ちます。

 また、余裕があれば、冷たいものはあたたかくしてから飲むようにしましょう

 ここまでたくさんの飲食物に関する項目に触れてきましたが、そんな中でも「どうしても、お酒が飲みたい」という方へ。そういった場合には、焼酎かウイスキーを飲むようにしましょう。もちろん、過剰摂取は禁物です。

<関連記事>
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薬や漢方で症状緩和に努める

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 結果から言うと、私個人的にはこの方法はあまりおすすめしません。
なぜかというと、根本的な問題解決になっていないからです。

 薬よりは漢方の方がまだ良いかと思いますが、即効性が期待し辛く長期に渡って飲まねばならない可能性がある上に、漢方は繊細なので個々人の症状にきちんとあったものを飲んでいないと、せっかく飲んでも効果が出ないことも往々にしてあるからです。

 薬は、単なる一時しのぎの効果しか発揮してくれないことも多いです。

それでも、一時的に症状が軽くなることや即効性のあることには間違いがないので、もしどうしても辛い時には、病院で処方してもらったり、近所の薬局などで市販薬を買うのも良いでしょう。

 病院の処方薬ですと胃酸分泌抑制薬系の抗ヒスタミン薬、PPIやh2ブロッカー、市販薬でも胃酸を抑えてくれる役割を持つものが出ています。

 また、漢方薬の場合でも、症状が軽い場合には市販の漢方薬でも効果が期待できることがあります。
中でも、「安中散」というものが含まれていると、胃酸過多の症状に良く効くとされているので、良い効果が期待できます。

<関連記事>
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ツボ押し、マッサージ

 ここでは、胃酸過多に効果があるとされるツボを3つ紹介します。
ツボを押すと、その刺激によって反応する部位が胃酸量を調整し、胃酸分泌量を抑制することができます。

胃腸点
手のひらの、生命線が終わりの方に向かっていくあたりにあります。親指の付け根の肉の山と、小指の下、手首に向かって大きく膨らんでいく肉の山の中間です。
 効果としては、名前の通りで、胃腸を整えてくれます。ストレス耐性にも効果があるとされおり、胃酸過多には一石二鳥のツボです。
中脘
お腹の中央、みぞおちのあたりにあるツボです。左右乳房の下方を線で横に繋いだ中心点と、おへそのちょうど中間くらいにあります。

 自分が「気持ちが良い」と感じるくらいの強さで、1分程度押して刺激しましょう。

陽陵泉と足三里
 陽陵泉は、膝の外に向いている方の側面の、小さく出っ張った丸い骨の、すぐ下のくぼみにあります。足三里はそこからさらに膝の正面側、陽陵泉からすぐそばのところにあります。

これらのツボは、過剰な胃酸分泌を抑えてくれ、胃腸を強くしてくれます。

 今回ご紹介したツボを、ご自身で押してみることで、症状を和らげることができます。

 いろいろな角度から指で押してみて、痛みの出方や感じ方を比べながら試してみてください。痛みが強く出る所を圧迫するのが有効です。胃酸の分泌が抑えられ、症状が緩和されます。

逆流性食道炎に効く!!ツボ押し治療法!症状によって押すツボは異なります!」もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を見てください。

姿勢の見直し

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 姿勢が悪い状態だとお腹に圧がかかりやすくなり、腹圧がかかると、胃酸が逆流しやすくなります。
 腹圧が高くなりやすいのは、以下のような場合です。

  • 猫背
  • うつぶせ寝
  • 肥満気味の人の仰向け体勢
  • 腹筋運動
  • 車の運転
  • 自転車を漕いでいる時

あまり前のめりになってしまったり、腹部を折り曲げるような体勢はできるだけ避け、背筋をシャキッとして、寝る時は横向きに寝るように心がけましょう。

寝ている時には意識が無いので、無意識に上記のような姿勢を取りやすく、しかも横になっている状態だと抵抗が普段より少ないので、胃酸が上がってきやすい状態になっています。

 枕の逆さを少し高くして、頭の位置を高くすることで、胃酸の逆流を予防することができます。

<外部サイト>
逆流性食道炎が治らないのは腹圧が高いから!腹圧に詳しくなって症状を改善しよう

□最後に

 ここまで見てきた通り、胃酸過多には、精神的なストレス面と身体的なストレス面、双方の要因があります。

 特に、身体的な面だけではなく精神的な面もしっかりと根拠を持って要因として関与してくるというのは少々意外かもしれませんが、それだけに、日頃から気持ちをおおらかに持ち、なおかつ、自分自身をリラックスさせる時間を持つことが重要です。

 お仕事も大切ですが、お休みはしっかりと取り、ストレス解消の時間もきちんと持つようにしましょう。

 また、胃酸過多にはこまめな検査・経過観察も欠かせません。放っておくと胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎にもつながります。

 まずは根本的な生活習慣や食生活を改めるように心がけ、過度な刺激を与えるものは飲食物・生活上での動作ともに避けるようにして、おなかに良い生活をするようにしてみましょう。

私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。

マツモト先生のサイトと出会い、マツモト先生のメルマガを通じて逆流性食道炎が良くなり、私は心も体も元気になりました。

その考えを普及したいと思い、サイトを立ち上げました。

マツモト先生から許可をいただき、私のサイトからもメルマガ登録できるようになったのでメルマガ登録することをオススメします。

2.18.18