今回のテーマは、逆流性食道炎治療時のサプリメントや健康補助食品の摂取についてです。
元来あまり科学的な薬による治療が好きではなく、かといってサプリメント系の過剰摂取も怖かったのであまり手を出さずにいたのですが、あまりにも辛い症状を癒すためならと興味はあり、色々と見比べていた時のノートがあったので、改めて調べ直してみたことなども交え、
逆流性食道炎治療時に有効なサプリメント・健康補助食品や摂取時の注意点などについて書いてみます。
Contents
サプリメント・健康補助食品の有効性
逆流性食道炎は胃と食道を繋いでいる部分にある筋肉が弱ってしまったり、胃酸が過多に増えすぎてしまったりして胃から食道の方に胃酸が逆流してしまう病気なので、一般的な薬物治療では胃酸を抑える薬を処方されて胃酸の分泌量を抑制します。
私も、何種類かの薬を服用しました。けれど、この「胃酸を抑える薬」というのがなかなかに曲者で、胃酸の分泌を抑制した結果、胃酸によって食べ物が溶かされる過程で吸収できるはずの、体に必要な栄養素を体内に取り込むことすら阻害してしまうのです。
結果的にその分の栄養素が足りなくなってしまうので、その部分をサプリメントや健康補助食品によって補うことは有効だと思います。
では、さっそく、逆流性食道炎の治療中に服用すると効果のあるものについて見ていきましょう。
「胃の働きを助ける作用」と「ストレスや睡眠不足から体を助けてくれる作用」でW効果
逆流性食道炎の時に求められている作用は、「胃の働きを助けてくれること」と「ストレスや睡眠不足から体を楽にしてくれること」。
これらを補ってくれる栄養素を含んだサプリメントや健康補助食品は、逆流性食道炎の時に有効だと考えられます。
では、実際にそういった働きをしてくれる栄養素・サプリメント類には、どういったものがあるのでしょうか? いかに列挙してみました。
- ●塩酸ベタイン
- 逆流性食道炎の治療薬によって逆に少なくなりすぎた胃酸の量を戻したり、消化・吸収を助けてくれる働きがあります。
消化酵素であるペプチンとの合わせ技で効果が増します。 - ●甘草(DGL)
- …古来から胸焼け軽減に使用されてきたハーブ。自然由来です。食道や胃を守る物質が体内で作られるのを助けてくれたり、胃酸から消化管などを保護してくれる働きがあります。症状の緩和になります。
- ●亜鉛
- 逆流性食道炎の予防にも効果を持ち、潰瘍や炎症を防いでくれます。胃の粘膜を傷つけてしまうような物質が生成されるのを抑えてくれます。
- ●βカロチン(ビタミンA)
- 逆流性食道炎によって傷ついてしまった食道を修復してくれたり、回復を早めてくれたりします。また、胃の粘膜を正常な状態に保ってくれる役割もあります。
βカロチンの持つ抗酸化作用は、胃粘膜の保護にも役立ちます。 - ●マグネシウム
- 胃酸を中和したり、潰瘍等の治りをサポートしてくれる他、ストレスによって不足しがちな栄養素を補ってくれます。
- ●メラトニン
- 睡眠をサポートしてくれます。さらに、胃と食道を繋いでいる部分の筋肉を強化してくれる働きもあります。メラトニンは「トリプトファン」と「ビタミンB6」から作られるので、これらを合わせて摂取することも効果的です。
他にも、逆流性食道炎の時に不足しがちな栄養素として、
- カルシウム
- 鉄
- ミネラル
- タンパク質
- アミノ酸
- ビタミンB群
- ビタミンC
などがあります。
これらは、上記に書いた逆流性食道炎の治療薬によって胃酸が抑制されすぎてしまうことで必要分の栄養素が体に取り込まれることが阻害されたり、長く続くストレスで消耗されてしまったりする栄養素です。
意識的な摂取を心がけましょう。
■ちょっと待って!サプリメントや健康補助食品は逆効果?
ここまで、逆流性食道炎の時に有効な栄養素とサプリメント類について書いてきましたが、さらに調べてみると、場合によってはサプリメントや健康補助食品が治療に対して逆効果になることもある、という事実がわかりました。
少し、そういったケースについてもまとめてみたいと思います。
●飲み合わせが悪い
サプリメントあるいは健康補助食品は、栄養素をそのまま濃縮したような形で売られていることが多いです。なので、強力になった栄養素の直の成分を体に取り込みがちです。
すると、そこで摂取した数種類のサプリメントや健康補助食品の栄養素と栄養素が、体内で化学反応を起こしてしまうことがあります。
その化学反応によっては、逆に体に毒になってしまうケースもあるのです。しかもそれは栄養素そのものではなく、栄養素をサプリメントなどの形状たらしめる添加物によるものである場合も起こりえます。
さらに、私たちは逆流性食道炎の治療中にすでに「化学物質の塊」である治療薬も飲んでいるので、こういった薬の成分との飲み合わせも、非常に重要になってきます。
したがって、薬と併用してサプリメントや健康補助食品を摂取する際には、かかりつけのお医者さんに相談することも大事になってきます。
実際によくわからずに飲み合わせの悪いものを摂取し続けた結果、胃酸のバランスが大幅におかしくなり、激痛を起こしてしまったという方の例もあります。
●サプリメント・健康補助食品の質が悪い
素人判断では、目の前に売っている市販のサプリメント類が果たして本当に質の良いものなのかどうか、わかりません。同じ「サプリメント」と謳っているものでも、そこに含まれる成分の純度や割合、そして添加物の良し悪しなどは、本当にピンキリです。
下手なものを飲んでしまうと、一つ上に書いた化学物質による悪い反応の恐れだけではなく、サプリや健康補助食品そのものの消化や吸収時に、胃や腸にかかる負担を倍増してしまいます。
そんなことになってしまったら、逆流性食道炎の治療補助目的としては、逆効果ですよね
■サプリメントや健康補助食品にばかり頼らず、バランスの良い食事を心がけることが大事
以上、逆流性食道炎の時に体に求められる作用やそのために有効な栄養素、サプリメントや健康補助食品の光の部分と闇の部分について見てきましたが、結局のところ、サプリメントや健康補助食品が場合によっては体に害をもたらしてしまうのは、
それらが薬と同様人工的で非自然的なもので、体にとってはあまりにも不自然なものになってしまうことがあるからなのですよね。
つまり、必要な栄養素は、できることなら逆流性食道炎の症状に負担がかからない範囲で、バランスのとれた毎日の食事から摂取するのが一番ということ。
たとえば、逆流性食道炎の時でも試しやすく、症状を緩和してくれる作用のある食事についてまとめてみると、
●脂肪の多すぎない乳製品…
飲酒の時にも「前もって牛乳を飲め」というのはよく言われることですが、乳製品には胃の粘膜を保護してくれたり、自然に胃酸の分泌を抑えてくれたりする効果があります。過度な脂肪分は逆流性食道炎の治療に逆効果になりますので、低脂肪や無脂肪などのものを選びましょう。
●野菜類、豆類…
生食ではなく、火を通したものがオススメです。食物繊維を摂取しすぎると、逆流性食道炎の治療時には胃を傷つけてしまうことがあるので、繊維質のものや繊維の多い部分は避けて食べましょう。逆流性食道炎時に不足しがちな栄養素をバランス良く、たくさん含んでいるのが野菜類・豆類です。また、豆類については、あえて加工された食品(豆腐や納豆など)を選ぶことで、消化が良くなるメリットもあります。
●あたたかな白湯やお茶…
余計な、不必要な成分を含むことなく、体を温めてくれ、血の巡りを良くしたり食べ物の流れを良くしてくれます。
などがおすすめです。
また、逆流性食道炎の時に不足しがちで、体にとって必要な栄養素とそれらを多く含む食品についてもまとめてみます。
- カルシウム…小魚、乳製品、海藻類など
- 鉄…大きな魚、小松菜やホウレン草など葉の多い野菜類、枝豆、レバーなど
- ミネラル…海藻類、魚介類、野菜類、お茶など
- タンパク質…肉類、豆類など
- アミノ酸…肉類、魚介類、豆類、穀類など
- ビタミンB群…緑黄色野菜、レバーなど
- ビタミンC…果物類、野菜類など
以上について、バランスを考えて献立に入れるようにしてみましょう。
<外部サイト>
逆流性食道炎患者のための食事指導!〜食べ物から食べ方まで〜
特に、ビタミンとミネラルをバランス良く摂れるように心がけると良いですね。
逆流性食道炎の時に食べる食事は、薄味で、消化しやすく、冷たくなく温かいものがベストです。
逆に砂糖類やお菓子を食べると、ビタミンの消費につながり、栄養素が不足するので避けたほうがいいでしょう。
カフェイン、アルコール、脂質がもってのほかなのは、言わずもがなですね。
薬やサプリメン類の副作用や飲み合わせによる悪い作用などを気にすることなく、普段の食生活からバランスの良い食事を心がけて、逆流性食道炎の治療中にも少しでも美味しくきちんとした栄養が摂れるように、工夫してみてくださいね。
「当サイト管理者(50歳女)が逆流性食道炎を発症させたきっかけと苦しいまでの症例」私の体験談をご覧ください
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