20.08.14
逆流性食道炎を患って3年、気づけば「難治性」と呼ばれる領域に入っていました。

あらゆる薬を試してきましたが、もっと良く効く薬はないものか、難治性逆流性食道炎から脱したい、早く健康な体に戻りたい……

その一心で、調べたり試してみたりしたことを中心に、難治性逆流性食道炎について、普通の逆流性食道炎とはどう違うのか? 治療薬とその効果は? といった項目について、まとめてみました。

私

私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。

■逆流性食道炎と難治性逆流性食道炎の違い

逆流性食道炎と難治性逆流性食道炎の診断の基準は、実は罹患後の時期の長さにあるって、ご存知でしたか?
 私が逆流性食道炎を発症し始めたのは、3年前、47歳の時のこと。

当時から吐き気や胸焼けなどの症状が気になって、それらが日常生活の中で慢性化してきて見過ごせなくなってきたときに、近所の消化器内科を受診しました。そこで「逆流性食道炎」と診断され、投薬治療を開始しました。

 そう、私も最初の病名は、難治性ではなく普通の「逆流性食道炎」だったのです。おとなしく病院に行き、最初に処方されたお薬を飲んで、おとなしく治療に励んでいました。最初に処方された薬名は、「タケプロン」です。

 しかし、お薬を飲み始めて最初の頃は、たしかに飲んだ直後にはしっかりとした効果が出、吐き気も胸焼けも治まって口内に胃酸が逆流したような酸っぱい感じもなくなり、喜んでいましたが、

投薬治療を始めてしばらくすると、症状が再発するようになってしまいました

薬を飲めば徐々におさまると思っていた症状が、全然おさまらず、飲んでいない時が非常に辛い時間になってしまったのです。

 定期的にお医者様に通い、都度薬を処方してもらいましたが、投薬を開始して2ヶ月が経った頃、お医者様に「あなたは、難治性の逆流性食道炎です」と診断されてしまいました

それを聞いた瞬間、目の前が暗くなったような気がしました。生活に直結する「食」の部分に関わるこの病気と、これからも長く付き合っていかなければいけないの? もう治らないの? 

難治性ということは、治るのが難しいということでしょうか…?

 お医者様によると、「難治性逆流性食道炎」という診断名になるのは、投薬上の理由、ということでした。

通常、ある程度の期間薬を飲んでいれば良くなるケースが多いものが、8週間、つまり2ヶ月を超えてくるようだとさらに投薬治療を続けなければならなくなる。

しかし、私が処方された「タケプロン」などを含むPPI系のお薬は、強い薬なので同病の同一患者に8週間を超えて投与できない。そのため、病名を変える必要があるのだ、ということでした。

 つまり、私の病名が変わったのは、逆流性食道炎が長引き、同じ強い薬を続行する必要があったため 
 症状が目に見えて悪化したとか、そういうことではなく、ただ「あなたの逆流性食道炎は治りにくい。そのために、病名を変えて、本来処方を続けられない薬の処方を続けます」という意味だったのです。

薬物治療との違い

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 「治りにくい」「強い投薬続行」という二つの要素で、私の気持ちはだいぶめげてしまいました。

 「難治性逆流性食道炎」と聞くと、普通の逆流性食道炎よりも治療が困難そうなので、より良く効く薬を処方してもらえるのかな?
治療のアプローチが変わるのかな? などと思いますが、基本的なアプローチはほとんど変わりません。

 ここで、逆流性食道炎、および難治性逆流性食道炎に使われる薬について、簡単に説明したいと思います。

 通常、逆流性食道炎の薬物治療には、PPI(プロトンポンプ阻害薬)という種類のお薬と、h2ブロッカー(H2受容体拮抗薬、H2RA)という種類のお薬、計2種類のお薬が使われます。

 前者のPPIというものは、体内で胃酸を分泌している「プロトンポンプ」という器官の働きを抑えて胃酸の分泌を強力に抑制してくれる薬です。

 後者のh2ブロッカーは、体内で胃酸ができあがるために必要な、物質と分泌組織の結合を防いで、胃酸や胃液の分泌を防ぎます。

 お薬の強力具合としては、PPIh2ブロッカーとなり、難治性の逆流性食道炎に治療名が移行するような8週を超えたタイミングで、投薬内容をPPIからh2ブロッカーに変える方法もあるようなのですが、PPIの方が薬が強力で効果が強いため、PPIの投与続行のために私と同じく病名を「難治性」とつくものに変えられるケースがあります。

強力な治療薬続行の免罪符のようなものです。

ちなみに、私も、何度かPPI→h2ブロッカー、という薬の変更を行い、何種類か飲んだことがあります(タケプロン以降、アシノン、イノセアワンブロック、パリエットといった薬名です。このうちアシノンとイノセアワンブロックがh2ブロッカー、パリエットがPPIの分類になります)。

 私の体調によっても、効果が出やすい時と出にくい時、薬の効果を実感できたりできなかったりとまちまちでしたが、長期的に言って結果はいつも一緒。

私

飲んだ瞬間は楽になるし、薬を飲み続けている限り症状は出なくなったり薄れたりするけれど、薬の効果がなくなれば再発」でした。

 これでは、いつまでも薬にしばられ、投薬治療ばかりが続く日々になってしまいます。しかも、「胃酸を抑える」という効果が主なので、根本治療になっているとも思えません。ものすごく悩みました。

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私

そこで、自分自身、「なにか根本的な解決方法はないものか?」と思うようになりました。


 
そして色々調べてみると、「逆流性食道炎は、生活習慣病のようなものである」という記述を多数発見することになりました。意外でした。

 しかし、自分の生活を見直してみると、たしかに運動不足だったり、夫が喫煙者だったり、夫婦でお酒が好きで家でもよく晩酌をしていたりと、あまり体に良いとは言えないような習慣を多く持っているな、と身につまされました。

 他にも、つい仕事で疲れているとき(今年50歳になりますが、パートのような形で簡単なデスクワークを週5で行っています)には姿勢も悪く、猫背気味になってしまったり、そういう時に限ってカフェインを体が欲しているのか、頻繁にコーヒーを飲んでしまったり、といった癖もありました。

 50歳ともなると歳も高齢になってきて、体の衰えも感じ始めます。女性としてホルモンバランスの乱れを感じることも増えてきました。
 そういった、日常のストレスのひとつひとつが、寄せ集まって、実は難治性逆流性食道炎の大きな原因になっているということが、だんだんと自覚されてきました。

同病を患う友人たちと話している時など、やはり似たような年齢の友人が多いためかみんな似たような悩みを抱えていて、少し太り気味の友人などは、お腹周りの脂肪のせいで洋服がきつくなり、お腹が締め付けられる感じが苦しいのも辛い、と言っていました。

 そのうち、「それなら、逆に生活習慣を見直して、ストレスを減らし、体にも負担の少ない生活を送るようにすれば難治性と言われた逆流性食道炎の症状も、根本的に少し緩和されるのではないか?」と、徐々に私は思うようになりました。

 実際試みたことは、まず胃に負担がかかりそうなアルコールやカフェインの摂取を減らすことです。もともと好きなものだったので完全にやめるのはなかなか大変なことですが、逆流性食道炎の苦しみに比べたら、あまり気になりませんでした。

 また、夫にきちんとざっくばらんな話をして、タバコを控えてもらったり、私の前ではあまり吸わないでいてほしい、と頼みました。

 家での食生活にも気を使うようになりました。脂っこいものはなるべく取らない、食後すぐは眠くなってもすぐ寝ない、など。

横になる姿勢によっては、特に満腹時や、少し太ったなと思うような時期にはお腹が苦しくなって辛いので、そういった姿勢を避けるようになりました。

寝るときの姿勢や、普段過ごす時にもベルトをきつく締めすぎていることのないように気を使っています。

 あとは、仕事中の猫背を治すこと。猫背などの姿勢で体が曲がっていると、腹部にかかる負担が大きくなるためです。

 こういったひとつひとつを試してみてから、徐々に、症状が緩和されてきて、治癒してきたのを感じました。何より、「薬に頼らず、自分の体質そのものを改善することで、自分自身の持つ自然な力で治せてゆける」という希望が、心の支えになりました。

 自身の生活習慣を見直し、家での在り方も見直したら、夫も一緒に健康になっていくような実感もありました。

 長い付き合いの病でしたが、お陰様で今ではほぼ症状もなく、以前の薬のみに頼っていた治療時より、はるかに予後も良く、何より毎日を心身ともにイキイキと過ごせている自分を感じます。

生活習慣が乱れると免疫力が低下していくので気をつけてくださいね。

    免疫力を低下させる原因

  • 運動が不足している
  • 環境(家、外)汚染
  • タバコを過度に吸う
  • 過度にアルコールを摂取する
  • ホルモンバランスが乱れる
  • 興奮することがおい
  • 年齢が高齢になっている
  • 食生活が乱れている
  • 疲労が溜まっている
  • 睡眠時間が短い
  • 人とのコミュニケーション不足している

これからも、腹部を始め体に負担をかけない生活習慣を模索しながら、日常に潜むひとつひとつのささいな原因に着目していくことで、もうあの頃のような辛い日々が訪れないよう、心がけつつ生活していきたいものです。

この記事を読んでくださったみなさまにも、早く完治の時が訪れるよう、同士として心から願っています。頑張って、病気を退治しましょう!

私は難治性逆流性食道炎の元患者として、今まさに逆流性食道炎に苦しんでいる人に向けて何かできることがある!と感じ、情報を発信しています。

マツモト先生のサイトと出会い、マツモト先生のメルマガを通じて逆流性食道炎が良くなり、心も体も元気になりました。

その考えを普及したいと思い、サイトを立ち上げました。

マツモト先生から許可をいただき、私のサイトからもメルマガ登録できるようになりました。

2.18.18